8月22日と23日、中国を代表する経済フォーラムである「中国トップ500企業サミットフォーラム」が広西省安寧市で開催された。主催者は中国企業連合会と中国起業家協会の共催。500企業の売上総額は59.48兆元(約1,100兆円)にともなり、500企業のうち94企業は世界トップ500企業にも名を連ねる。今年度のフォーラムでは、サステナビリティのテーマもクローズアップされ、「持続可能な発展CEO円卓会議」が開催、専門家らは「新常態・新機会・エコ増加・革新発展」というテーマを巡り、企業が「新常態」で低炭素エコ発展を実現するためのアドバイスを行った。
低炭素エコ発展がトレンドに
中国企業連合会の王基銘・特別招待副会長からは、政府による「新常態」の号令を考慮し、企業は創造性の重視や企業生産力と管理構造の更なる最適化、知能化、エコ発展化に努めるべきだと評した。中国発展改革委員会気候変化対応部の蒋兆理・副部長も同様に、企業は新たな経済発展のためには、炭素制約、エネルギー制約、生態系発展などを考慮した企業戦略、浪費型から節約型への企業管理の転換、先進的で実用的な低炭素技術の発展などが重要だと指摘。両者の主張からは、中国が低炭素という新たな分野で市場を形成していきたいという意気込みが伺える。
エコ発展で生存スペースを拡大
宝鋼グループの徐楽江・会長によると、現在の中国の製鉄工業は前例のない挑戦に直面している。長年資源とエネルギー消費と環境汚染を代価とした浪費的な発展は、現在の鉄鋼マーケットの供給過剰の状況をもたらした。一方、今社会が環境保護に対する認識は史上最高水準に高まり、インターネットの発展も知恵創造の時代を迎え製鉄企業が構造調整する機会をもたらしている。ビッグデータでユーザーとメーカーを情報で繋げ、生産余剰と資源浪費を減らすことを通じて、企業はエコ製造とエコ消費の持続的な発展の道を歩んで行かなければならない。
瀋陽ブロワー社の鄧長輝・常務副書記は、新たな機会の中身について4つの例を提示。知能化製造を拡大しサービスレベルを高めること、製品の最先端研究を促進すること、単なる製品の提供者から集成メーカーへ転換すること、企業内でエコ製造を実現するだけではなく消費者にもより良い低炭素製品を提供すること、を挙げ、技術開発と低炭素社会を結びつけることを推奨した。
経済成長が鈍化する中国では、新たな市場の創出と、経済発展とサステナビリティの両立のために、環境分野への積極投資やイノベーションが模索されている。企業サミットの中でも、従来のモデルを「浪費型」と呼称し、転換を図る必要性で一致したように、中国企業が今後どのような転換を見せていくか楽しみだ。
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