消費財・小売業界のグローバルネットワーク、(以下、CGF)は8月11日、業界として初となる「Sustainable Palm Oil Sourcing Guidelines(持続可能なパーム油の調達に関するガイドライン)」(以下、ガイドライン)の発行を正式に発表した。同文書はCGFがDeforestation Resolution(森林破壊に関する決議)の中で掲げている「2020年までに森林破壊ネットゼロ」と2015いう目標達成に向けた重要なステップとなる。
このガイドラインは、企業の持続可能なパーム油調達に向けた方針策定の支援を目的としており、標準規格策定機関やNGO、銀行やサプライヤーからの意見も踏まえ、CGFの小売業・製造業の会員企業らによって作成されたものだ。ガイドラインは今後もパーム油を取り巻く状況の変化に応じて更新され、パーム油調達企業にとって「生きた」ツールとしての役割を果たしていく。
同ガイドラインの大きな特徴は、業界を問わずあらゆる企業が持続可能なパーム油の調達を開始し、また将来的に完全に持続可能な調達を行う上で必要となる更なるステップを明確にした、二段階のアプローチを提示している点だ。
CGFで持続可能性部門の理事を務めるイグナシオ・ガヴィラン氏は「『持続可能なパーム油の調達に関するガイドライン』の発行は我々の業界において重要なステップであり、業界横断の効果的な協働によりどのような結果をもたらすことができるかを示す試金石でもある。これは単なるCGFの文書ではなく、2020年までに森林破壊ネットゼロを達成するという世界の産業界のコミットメントに基づくものであり、多くのステークホルダーが関わっている」と話す。
パーム油は世界で最も広く使用されている植物油で、マレーシアとインドネシアが総生産量の世界のパーム油生産の86%を占めている。パーム油は植物油の中でもより持続可能性を秘めているにも関わらず、パーム油農園の急速な拡大が貴重な熱帯雨林の損失や社会的衝突を生んでいる点が懸念されている。
CGFは同ガイドラインの発行を誇りに思うと同時に、これはあくまで第一段階にすぎず未だ課題は多いとしたうえで、今回のガイドライン公表に留まらず今後もパーム油の持続可能な生産拡大と利用に向けて生産者や加工会社、銀行、NGOらと協働していくとしている。
【ガイドラインダウンロード】Sustainable Palm Oil Sourcing Guidelines
【参照リリース】The Consumer Goods Forum Publishes Palm Oil Sourcing Guidelines
【団体サイト】The Consumer Goods Forum
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