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用語集

SA8000

 SA8000(Social Accountability 8000)は、米国のNGOであるSAI(Social Accountability International)が公表している、国際人権宣言、ILO条約、その他の国際的な人権・労働に関する国家法規に基づいた、すべての従業員の権利の行使及び従業員の保護のための国際規格です。

 SA8000は以下の9つの社会的責任の説明責任に関する要求事項を定めています。

  • 児童労働に携わること・支援することの禁止
  • 強制労働に携わること・支援することの禁止
  • 業務に関係する健康と安全の確保
  • 結社の自由及び団体交渉権の所持
  • 差別の禁止
  • 非人道的な懲罰の禁止
  • 適当な労働時間の遵守
  • 公正な報酬
  • マネジメントシステム

SA8000の背景

 1990年代、米国企業の東南アジアによる児童労働、強制労働、低賃金といった問題が明らかになり、大きな問題となりました。これをきっかけに、米国政府、米国企業、人権擁護団体などが中心となって、途上国における企業の搾取労働を解決するためのいくつもの行動指針が作られました。しかし、これらはILO条約や国連人権宣言に基づいていなかったことから、世界共通の労働環境規約の必要性が認識され、米国のCSR評価機関であるCEP(Council on Economic Priorities)における団体(のちのSAI)によって、1997年にSA8000が策定されました。2014年6月に第4版が公表され、企業は適切かつ有効なマネジメントシステムを通じて、この規格に適合することが期待されます。

他の認証規格との違い

 
 第三者認証規格では、品質にフォーカスしたISO9001や、環境にフォーカスしたISO14001が有名ですが、同様に、従業員や人権、企業倫理という側面にフォーカスした国際規格がSA8000です。労働者の雇用環境を含む規格としては他にも、組織の社会的責任に関する国際規格であるISO26000がありますが、ISO26000が第3者認証を目的としないガイドライン規格であるのに対し、SA8000の取得には、第3者検証による監査が必要であり、取得後も6か月ごとに審査を受ける必要があります。

SA8000の活用状況

 認証取得のメリットとしては、社会的説明責任の実証や、労働環境改善やサプライチェーンマネジメントによる生産性の向上、訴訟リスクの低減などが挙げられ、2015年3月31日時点での取得企業数は72か国3490社にのぼる一方、日本での取得は2社にとどまっており、日本では浸透していないことがうかがえます。SA8000の認証取得数は国ごとに偏りがあり、近年は開発途上国において取得が増えています。

参考

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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