米航空大手のユナイテッド航空は6月30日、バイオ燃料開発会社のファルクラム・バイオエナジー社(以下、ファルクラム)に3000万米ドルを出資すると発表した。ファルクラムは家庭ごみなどの固形廃棄物を低コストで持続可能な航空バイオ燃料に転換する技術の開発・商業化を手掛ける企業だ。同社の開発する航空燃料は従来の燃料と比較してライフサイクル全体における炭素排出量を80%以上削減できる可能性があるという。
今回の投資は米国の航空会社による代替燃料への単一投資としては過去最大規模となり、この合意によりユナイテッド航空は航空バイオ燃料および炭素排出量削減への取り組みにおいて航空業界の中でも抜きんでた存在となった。ユナイテッド航空はファルクラムへの出資に加えて、同社と共同で5ヶ所のハブ空港の近辺で共同プロジェクトを実施し、最大年間1億1,800万ガロンの燃料生産を目指す。
また、両者は長期の燃料供給契約についても合意に達しており、生産が間に合えば従来のジェット燃料と比較しても遜色ない価格で少なくとも年間9,000万ガロンの持続可能な航空燃料を最低10年間購入できるようになるという。ファルクラムは2017年に最初の燃料工場の操業開始予定だ。
ユナイテッド航空で執行副社長兼ゼネラル・カウンシルを務めるBrett Hart氏は「代替燃料への投資は環境に優しいだけではなく、バイオ燃料は石油価格の変動や炭素排出規制の対策にもなり得るもので、当社にとって有意義な決断だと確信している」と語る。
ユナイテッド航空は2009年以降、持続可能なバイオ燃料の実用化に向けて多額の投資を行ってきた。2009年には北米の航空会社として初めて持続可能なバイオ燃料を使用した双発機のデモ飛行を実施、2011年には藻から生産したバイオ燃料を使用して米国で初めて乗客を乗せた商業飛行を実施、2015年にはそれらの取り組みが認められ、World Bio Marketsから先進バイオ燃料の部で優秀賞を受賞している。
【参照リリース】United Airlines Purchases Stake in Fulcrum BioEnergy with $30 Million Investment
【企業サイト】United Airlines
【企業サイト】Fulcrum BioEnergy
(※写真提供:Anatoliy Lukich / Shutterstock.com)
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