ESGリスク分析・情報提供大手のRepRisk社およびGECリスクアドバイザリー社は7月1日、テクノロジーの発達により近年増加しつつあるプライバシー課題についての特別共同報告書、"RepRisk and GEC Risk Advisory Joint Special Report on Privacy Issues"を公表した。
同報告書は、世界各地で起こった企業によるプライバシー問題の事例研究をしたもので、各事例について、問題の概要及びリスク分析、そこから得られる教訓が記載されている。同報告書の目的は、企業がこぞって最新技術を導入した結果として雇用者や被雇用者、ステークホルダーらの間に数多くの新たなプライバシー課題が生まれており、企業はそれらの課題によりこれまで以上に細心の注意を払う必要性が出てきていることを共有することだ。報告書で取り上げられている具体的な事例は下記の通り。
- 韓国外換銀行(韓国):従業員に対して個人情報収集に関する合意書への署名を要求
- Uber(中国):Uberタクシー利用者の個人情報が流出、ネット上で販売
- バーガーキング(スウェーデン):駐車場に設置した撮影端末で無許可で顧客を録画
- アップル、Yelp、Instagram、Twitterなど(米国):ユーザーの同意なしに携帯端末からユーザーの個人情報を収集
- 日立、NEC、UBIC(日本):従業員の行動分析のためにデジタル上の活動記録を収集するAI(人口知能)ソフトウェアを開発
- アンセム(米国):ハッキングにより8,000万人分の顧客情報が流出
いずれの事例についても争点となったプライバシー課題のポイント、リスクについて詳細な分析がされており、企業が問題を未然に防ぐために何に取り組むべきか、関連法規制の確認やユーザー合意獲得においてケアするべきポイント、サイバーセキュリティ、サイバーガバナンスの強化など様々な視点から具体的なアドバイスを提供している。
ITがあらゆるビジネスのインフラとなっている昨今では、業界に関わらずどの企業にとってもプライバシー課題に関するリスクは高まっている。各企業は自社の事業活動に内在しているリスクをより強く認識し、問題が起こる前に体制を整える必要があるが、そのうえで同報告書の事例研究は大いに参考になるはずだ。レポートは下記からダウンロード可能。
【レポートダウンロード】RepRisk and GEC Risk Advisory Joint Special Report on Privacy Issues
【企業サイト】RepRisk
【企業サイト】GEC Risk Advisory
(※写真提供:ymgerman / Shutterstock.com)
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