国連ミレニアム開発目標(MDGs)が達成期限を迎える今年は、9月に開催予定の国連サミットでポスト2015年開発アジェンダに対する宣言が採択され、12月の国連総会決議で2016年以降の持続可能な開発目標(SDGs)が正式決定される予定となっている。2015年は貧困の撲滅や気候変動対策、女性支援、飢餓の軽減、森林保護など幅広い環境、社会課題に対する2030年までの目標が決定する重要な年なのだ。
こうした状況を踏まえ、消費財大手のユニリーバは、新たなSDGsが公表される9月25日の翌日からの7日間でその目標を地球全体の70億人に共有するというGlobal Goalsキャンペーンを支援している。同キャンペーンは英国の映画監督、Richard Curtis氏が立ち上げたグローバルイニシアチブのProject Everyoneが主導するキャンペーンで、ウェブサイトやテレビ、映画や新聞などあらゆるメディアを通じて世界中の人々に新たなSDGsの短いメッセージで分かりやすく伝えるというものだ。
SDGsの存在をより多くの人々に知らしめることで政治家や個人に目標達成に向けた行動を呼びかけるのが目的で、Project Everyoneの創設メンバーにはユニリーバ以外にもアビバ、スタンダード・チャータード、グーグルらの企業が名を連ねている。
同キャンペーンが政治家や政府だけではなく全ての人々に関わるものとなるように、ユニリーバとProject Everyoneは市民イニシアチブのGlobal Citizenとも協力する。Global Citizenも同キャンペーンに合わせて9月26日から米国ニューヨークのセントラルパークでThe Global Citizen Festival 2015を開催予定だ。
ユニリーバはこの新たなSDGsおよびキャンペーンを支援する理由として、SDGsで取り上げられるサステナビリティ課題が自社の事業に大きなインパクトを持っているという点を挙げている。例えば同社は水不足や気候変動によるリスクだけではなく、ジェンダーの平等についても同社の事業に大きく影響するとしている。
現在ユニリーバ製品の消費者の70%以上が女性で、これらの女性は彼らの稼ぎの90%以上を家族に再投資しているにも関わらず、女性の収入は世界全体の10%にも過ぎないという。女性支援により女性の収入を増やすことは、同社の事業を成長させる大きなドライバーとなるのだ。
ユニリーバのCEOを務めるPaul Polman氏は「ビジネスは機能していない環境の中で生き残ることはできない。だからこそ、企業はシステムの中の傍観者ではなく、システムの改善に対する積極的な貢献者となることが重要なのだ」と語る。
ユニリーバにとって、Global Goalsキャンペーンの支援やGlobal Citizenとの協働は単なる社会貢献ではなく、長期的な事業環境と事業の成長を見越した戦略的なパートナーシップの一環でもある。キャンペーンの支援を通じて世界中の人々が2030年までの新たな持続可能な開発目標を理解してもらうことは、同社の事業成長の土台となる重要な投資なのだ。
【参考サイト】Global Goals
【参考サイト】Project Everyone
【参考サイト】Global Citizen
【参照リリース】Engaging people in the fight to end poverty and tackle climate change
【企業サイト】Unilever
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