環境・社会に配慮した事業展開を行うBコーポレーションとしても知られる米アイスクリームメーカーのベン&ジェリーズが、また新たにユニークな取り組みを始めている。ベン&ジェリーズは5月12日、自社製品の製造・販売工程において生じるCO2に対し、その排出量に応じて自社に対して自主的に課税を行うと公式ウェブサイト上で発表した。
同社は気候変動を「個人から企業、そして国家にいたるまで我々が解決すべき最も大きな問題」としており、その問題解決策の一環として今回のCO2排出に対する自主課税制度の導入に踏み切った。
ベン&ジェリーズは、自社に対する炭素税の導入により、化石燃料の使用量を削減できるだけではなく、そこから得られる歳入をエネルギー効率化やグリーンテクノロジーのための投資に活用することができるとしている。課税額は1トンあたり10米ドル(もしくは10ユーロ)で、農場からごみ処理に至るまで同社の製造・販売工程における温室効果ガス排出量の全てを対象にしている。
同社が実施しているLyfecycle Analysis(自社製品ライフサイクル全体におけるカーボンフットプリントを特定するための分析)によれば、同社の製造・販売工程全体におけるCO2排出量の大半を占めているのは農場で、その割合は42%にも及ぶという。そのため、今後は農園主と協働してCO2削減戦略の策定と実行を進めていくとしている。ベン&ジェリーズはこれを「とても野心的な計画だ」としており、この取り組みを成功させるために顧客や行政に対する協力を呼び掛けている。
一般的に炭素税というと国家や行政が導入するものだが、ベン&ジェリーズのように自主的に自社のCO2排出量に対して課税を行う取り組みは一部の先進企業の間で徐々に広まりつつある。米国では既にディズニーリゾートやマイクロソフトなどが同様の自主課税制度を導入しており、集まった歳入を活用して環境保護プロジェクトへの投資などを行っている。
【リリース原文】Ben & Jerry’s Puts a Price on its Carbon
【企業サイト】Ben & Jerry’s
(※写真提供:ChameleonsEye / Shutterstock.com)
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