米国のサステナビリティ会計基準を提供しているSustainability Accounting Standards Board(以下、SASB)が5月14日、2014年のアニュアルレポート"Today's Sustainability Challenges Mean Business: Are our markets ready?"を公表した。
同報告書によると、SASBの基準を採用する米国企業の数は順調に増加しており、2014年末までに2,100社以上の企業が参加、その総計資産は21.7兆米ドル、時価総額は9.8兆米ドル以上に上っている。2014年末時点でSASBは6セクター、45業界のサステナビリティ会計基準を発行しており、2016年までに10セクター80業界へ向けた基準を完成させる予定だという。
また、レポートではClimate Change、Product Alignment & Safety、Access & Affordability of Services、Financing & Responsible Lending、Resource Intensity & Scarcityの5分野に渡り、特にそれぞれの課題と関わりが深い業界において鍵となる情報開示項目を挙げ、詳しく説明している。さらに、広範な業界に影響をもたらす気候変動については、各業界が受ける影響の違いを示した一覧表なども提供しており、SASBが特定を進めている業界ごとのマテリアリティが俯瞰できるようになっている。
SASBのCEOを務めるJean Rogers氏は、アニュアルレポートの中で「持続可能な未来のための会計。それが我々のなすことだ。我々のサステナビリティ会計基準は、今日そして未来の我々に影響を与えうる様々な課題を反映するものだ。サステナビリティ会計基準は、投資家や社会にとって重要なリスクと機会の双方を伴う課題に対処するものだ。これはどのように環境・人間・社会資本を測定するべきかを示すものであり、今日の変化が激しい世界において最も成功に近い位置にいる企業を選択する手助けとなるものだ」と語っている。
SASBの提供するサステナビリティ会計基準の採用により、上場企業は自社のサステナビリティ課題をSASBの特定する業界別のマテリアリティに基づき認識、報告することができ、投資家側も同じ基準に沿い、企業の成長性やリスクを判断できるようになる。
SASBは今年の1月から元FASB(Financial Accounting Standards Board:米国財務会計基準審議会)会長のRobert Herz氏を役員に迎えるなど、目標の一つでもあるSEC(米国証券取引委員会)への基準導入に向けて着実に歩みを進めている。レポートは下記からダウンロード可能。(※参考記事:【レポーティング】SASB(米国サステナビリティ会計基準審議会)を徹底解説)
【レポートダウンロード】Today's Sustainability Challenges Mean Business: Are our markets ready?
【団体サイト】SASB
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