ビール醸造大手のハイネケンが、同社のサステナビリティに対する取り組みをより多くの消費者に知ってもらおうと、ソーシャルメディアなどを活用したユニークなデジタルキャンペーンを展開している。The Legendary 7と名付けられたキャンペーンは、消費者が楽しみながら同社のサステナビリティ活動について知ることができる参加型のキャンペーンだ。
ハイネケンは2020年までに主要な原材料の50%を持続可能な調達にすることを宣言しており、サプライヤーと共にサステナビリティ活動に取り組んでいる。The Legendary 7 は、ハイネケンのビール醸造に使われる持続可能で高品質な麦とホップを生産しているフランス、ドイツのギリシャ、オランダ、そしてイギリスの7つの農家にスポットライトを当て、彼らのストーリーを通じて消費者にハイネケンブランドを陰で支えるサステナビリティの取り組みについて知ってもらおうというものだ。
キャンペーンに参加するのは簡単だ。消費者はスマートフォン向け拡張現実アプリのBlipparを使用してハイネケンのボトルに貼ってあるラベルをスキャンするだけで、スペシャルコンテンツにアクセスすることができる。The Legendary 7のショートフィルムを閲覧できるだけではなく、7つの農家のストーリーやハイネケンのサステナビリティの取り組みについて学んだり、自分だけのLegendary 7の自撮り写真を撮ったりすることができる。
ハイネケンはその特徴的なデザインと斬新なマーケティング手法で知られているが、今回の7 Legendaryキャンペーンにもそのハイネケンらしさが存分に発揮されている。動画では西部開拓時代をイメージして7つの農家をカウボーイに例えており、ハイネケンのブランドイメージを大切にしながらサステナビリティに馴染みがない人でも親しみやすいタッチとストーリーで描かれているのが特徴だ。
ハイネケンのデザインを担当するMark van Iterson氏は「サステナビリティはしばしば消費者にとって分かりにくく、とっつきづらいもののように見られている。しかし、サステナビリティは我々の事業の中心であり、我々は消費者や全てのステークホルダーの人々にハイネケンのBrewing a Better Worldプログラムにより簡単な形で関わってもらう方法を模索していた。Legendary 7は現状のサステナビリティ報告に対する挑戦でもあり、消費者がサステナビリティ思考や自身の好きなビールブランドの生産で使われるあらゆる天然の原材料にありがたみを感じる手助けとなるものだ」と語る。
サステナビリティ戦略の成果を最大化するためには、活動の中身はもちろんだが、それと同等かそれ以上に、その活動をどうステークホルダーに効果的に伝えるかという点も重要だ。ステークホルダーからのエンゲージメントを引き出す上で昨今注目を浴びているのがストーリーテリングという手法だが、今回のハイネケンのキャンペーンはまさにそれを体現した好事例だと言える。動画や最新のスマートフォンアプリ、ソーシャルメディアなどデジタルメディアを駆使しながら消費者に親しみやすい形で自社の取り組みを伝えていこうとする同社の姿勢から学べる点は多い。
【参照リリース】HEINEKEN Legendary 7 campaign
【企業サイト】HEINEKEN
(※写真提供:View Apart / Shutterstock.com
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