米国環境保護庁(以下、EPA)は4月28日、カルフォルニア州ロサンゼルスのディズニーリゾートを、食品廃棄ゼロを目指してEPAが展開しているプログラム、Food Recovery Challenge Awardにおいて米国内のテーマパークの中で最も優れた実績を挙げたとして表彰した。
EPAのFood Recovery Challengeは、企業らと提携して食品の廃棄を減らすためのキャンペーンプログラムで、食料品会社や教育機関、スポーツ・娯楽施設、レストランやホテルなどが参加している。参加機関の費用を節約し、地域社会における飢餓の削減、余分な食料の購入や廃棄を削減、寄付することで環境保護を推進するのが目的だ。
ディズニーリゾートは2013年以降、同プログラムへの参加を通じて下記の取り組みを実施してきた。
- 700万ポンド分の食品ごみを埋め立て廃棄から回避し、約50トンの余剰食品を寄付
- 施設内で使用された1200トンもの食品用油をバイオディーゼルへと作り変え、施設内で使用し、年間約15万ガロンのガソリンの消費を削減
- Circle D Corral(ディズニーランドリゾート内の動物らの住居エリア)において、動物たちの糞や枯れ木などを回収するなどして年間60万ポンドの肥料を生産し、99.8%の廃棄の転換再利用を実現、the U.S. Zero Waste Business Councilに表彰を受ける
また、ディズニーリゾートは2014年12月以降、余剰食料品の寄付プログラムも開始しており、現在までに11万ポンド、総額36万米ドルもの食料を必要な人々に寄付している。さらに、60のディズニーリゾート関連施設が共同で食品ごみ再利用プログラムに取り組んでおり、食料品の回収と仕分けを行うことで農園の動物たちのエサに作り変える取り組みも進めている。
Resort Hotels and Downtown Disneyの副会長のJon Storbeck氏は「我々の環境を最優先に考えた取り組みが評価されたことを誇りに思う。ディズニーリゾートはWalt Disney氏の環境保全に対する思いを受け継ぎ、実践し、このような取り組みで役立つことができて光栄に思う。」と語っている。
食料品の埋め立て廃棄は温室効果を持つメタンガスの原因となっており、気候変動への悪影響が懸念されている。2012年には米国人の食料廃棄はおよそ3500万トンに上り、埋め立てられる資源の中でも最も多くなっている。The U.S. Department of Agricultureの推計によると平均的な4人世帯の米国人家族が廃棄する食料は毎年1600米ドルにも上り、米国全体での食料廃棄は年間1650億米ドルになるとみられている。
大量生産、大量消費型のライフスタイルが疑問視され、より持続可能で無駄の少ない暮らしが求められる中、ディズニーリゾートの取り組みは豊かさの象徴でもあるテーマパークのイメージやあり方を大きく変えるとても有意義な取り組みだと言える。
【参考サイト】Food Recovery Challenge
【参照リリース】EPA Honors Disneyland Resort for Achievements in Food Recovery
【企業サイト】Disneyland Resort’s environmental sustainability programs
【団体サイト】U.S Environment Protection Agency
(※写真提供:Helga Esteb / Shutterstock.com)
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