今や世界最大の再生可能エネルギー投資大国となった中国が、更に低炭素経済への移行を加速する。事業運営における再生可能エネルギー100%を目指しているIKEA、ネスレなどグローバル企業らによる国際イニシアチブのRE100プロジェクトは4月14日、中国企業の再生可能エネルギーへの移行に向けてChina Renewable Energy Industries Association(中国再生可能エネルギー産業協会、以下CREIA)と新たに提携すると発表した。
また、RE100プロジェクトを推進しているThe Climate Groupは同日"RE100: China’s fast track to a renewable future"と題した報告書を発表した。同報告書によれば、中国国内における再生可能エネルギー需要の高まりを示しており、2014年の再生可能エネルギー投資額は895億ドルに達したという。また、中国政府は国内の大気汚染とエネルギー問題を解決し、再生可能エネルギー分野における国際的なリーダーシップ向上に向けて、民間企業らに低炭素ソリューションの積極的な活用を呼びかけている。
同報告書は再生可能エネルギーへの投資を検討している企業向けに再生可能エネルギー関連の成長分野や機会を特定しているが、その中でも最も人気が高いのは太陽光発電だ。屋上太陽光パネル事業は投資回収期間が工業・商業セクターにおいて7~9年間で、運用収益率が8%となっているという。
CREIAの副事務局長を務めるMegan Tang氏は「中国は既に再生可能エネルギー発電の必要性を認識しており、現在生まれつつあるのは企業らが再生可能エネルギー普及を後押しする大きなチャンスだ。RE100プロジェクトにおけるThe Climate GroupとCREIAとのパートナーシップは、中国の大手企業らに対して再生可能エネルギー普及を加速させる上での技術面・財務面の課題を乗り越えるためのプラットフォームを提供している」と述べた。
また、The Climate GroupでRE100プロジェクトの担当者を務めるEmily Farnworth氏は「中国は、自国およびグローバル経済の企業、政策立案者に大きな恩恵をもたらす低炭素化への移行に向けてリーダーシップを発揮している。2020年までに、中国は100ギガワットの太陽光発電と200ギガワットの風力発電の導入計画を掲げている。この目標達成に向けて、政策立案者らはますます中国企業の低炭素経済への移行に協力的になってきている。例えば、2013年に中国政府は分散型屋上太陽光パネルの普及に向けて県および地域レベルで再生可能 エネルギーの固定価格買い取り制度を導入した。このような投資は企業にとっても合理的であり、我々は今後もそれらの企業の支援に取り組んでいく」と語った。
中国は世界最大のCO2排出大国でもあるが、同時に今や世界最大の再生可能エネルギー大国として世界の低炭素経済への移行をリードする存在となりつつある。今後も莫大なエネルギー需要が見込まれる中国だけに、中国の動向は世界の動向を左右するといっても過言ではない。今回のRE100プロジェクトとCREIAとの提携により、今後中国企業の再生可能エネルギーへの移行がますます加速することを期待したい。レポートは下記からダウンロード可能。
【レポートダウンロード】RE100: China’s fast track to a renewable future
【参考サイト】RE100
【団体サイト】The Climate Group
【団体サイト】China Renewable Energy Industries Association
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