急速な経済発展、工業化に伴い大気汚染が深刻化しているインドでは、今年の4月から同国で初となるAir Quality Index(空気質指数、以下AQI)が導入されている。AQIはインド工科大学カーンプル校からの勧告に基づいて作成されたもので、インドの首都デリーを含めた10大都市において毎日の大気汚染レベルをリアルタイムで市民に対して公開している。
AQIは空気質を示すためのグローバルスタンダードとして既に他国でも導入されており、主にPM10、PM2.5、O3、NO2、COという5種類の汚染物質の濃度を測定し、汚染レベルを6段階で表示する。最も安全とされる汚染レベルは深緑で、最もリスクを伴う汚染レベルは赤色が付く。当局は汚染レベルを確認するために各所に観察ステーションを設置しており、モニタリングした情報をウェブサイトで公開している。これにより、国民はより正確な情報に基づき、子供に通学させるべきか、外出すべきかという日常活動にかかわる判断ができるようになる。
大気汚染データを可視化することで、政策立案者らに対して大気汚染の改善に向けた具体的な政策の実行に向けた圧力がかかることが期待されている。一方で、現状では政策立案者に対して何らかの対策を義務付けるものでもなく、国民に対してもデータに基づく具体的なアドバイスを提示しているわけではないため、今後、AQIの導入をどのように空気質改善や人々の健康改善に向けた具体的な行動に移していけるかが鍵を握りそうだ。
【参考サイト】Modi launches national air quality index, says India should guide world on climate change
【参考サイト】The World Air Quality Index
(※写真提供:Don Mammoser / Shutterstock.com)
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