2013年から大手企業のCSR義務化が始まっているインドでは、新たな一大CSR市場が生まれつつある。戦略コンサルティングのBCG IndiaとNasscom Foundationが公表したインドのCSR市場に関するレポート"Catalyzing Change Thorough Corporate Social Responsibility"によると、インド企業が法律に従いCSR活動への支出を行った場合、その支出総額は現在の4倍以上となる年間2億5000万米ドルに増加する見込みだという。
インドでは2013年に新会社法が制定され、純資産が8億米ドル以上、売上高16億米ドル以上など一定の基準を満たす大手企業に対し、過去3年間の平均純利益の少なくとも2%以上をCSR活動に充当するという義務が課された。(※参考記事:
【インド】Global Impact、新会社法によるCSR義務化に対応したCSR支援サービスを提供開始)
同レポートによると、インド企業による2012~2013年度のCSR活動への総投資額は0.5~0.6億米ドルで、その約半分はリライアンス・インダストリーズ社やコール・インディア社、タタ・スチールなど上位10社によるものだった。
また、上位100社のCSR活動を分析した結果、インド企業のCSR活動は基本的にNGOや財団などの社会的組織を通すことが多く、約90%の企業はこれらの組織を通じて具体的な活動に資金を投じており、直接CSR活動を企画、実施している企業は約10%にとどまっていることが分かった。
さらに支出分野を見てみると、最も支出額多いのは教育分野で、次いで健康分野が続く。企業の約80%がこの2分野を支援しており、多くの企業が健康診断や献血などと同様に学校給食支援など質の高い初等教育機会の提供に注力している。また、就労スキル開発や女性の自立支援、環境活動に力を入れている企業もある。
2013年の新会社法制定以降、インドは新興CSR市場として世界中の注目を集めている。インド国内では徐々に関心が法的要求基準への対応から活動の質や成果といった中身そのものへと移りつつあり、今後、多く先進的なCSR成功事例が生まれることが期待されている。レポートの詳細は下記からどうぞ。
【レポートダウンロード】Catalyzing Change Thorough Corporate Social Responsibility
【企業サイト】BCG India
(※写真提供:Tukaram Karve / Shutterstock.com)
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