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【スウェーデン】H&M、Kering、Worn Againと共同でリサイクル繊維の開発へ

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 スウェーデンの衣料小売大手H&M社は3月31日、Gucci、Bottega Venetaなどのブランドで知られるフランスのファッションコングロマリットKering社および廃棄繊維の削減に取り組む英国のスタートアップ企業Worn Again社と共同で廃棄繊維の削減とリサイクル繊維の開発に取り組むことを発表した。

 2014年のポリエステル繊維と綿繊維の生産量は、世界で約6500万トンだったが、2020年にはその需要は9000万トンにまで上ると見られている。増え続ける繊維への需要に伴い深刻化する廃棄繊維の問題に対する解決策として期待されているのが、Worn Again社の技術を用いた「布地から布地へのリサイクル法」だ。

 Worn Again社の技術は、古着や使用済みの繊維からポリエステルと綿セルロースを抽出し、それらを再利用することで新たな布地の製造を可能にするものだ。これまで難しかった衣料に織り込まれた複数の繊維の分離や、染料やその他含まれる汚染物とポリエステル、綿セルロースの分離がこの技術によって可能になり、布地から布地へのリサイクルの実現に結びついた。
 
 H&M社とKering社は傘下のPUMAブランドで、商業的な側面も含めた実現可能性を検討するため、この新技術を試験的に採用することにした。

 H&M社の最高サステナビリティ責任者を務めるAnna Gedda氏は「Kering社とWorn Again社と共に今回のプロジェクトに参加できたことを大変嬉しく思う。このプロジェクトにより、衣料の製造プロセスに変革をもたらし、自然資源の調達量を減らし、さらには、ファッション業界内で完結する製造循環モデルを確立するという、われわれの最終的な目標に近づいていきたいと考えている」と述べた。
 
 また、Kering社の最高サステナビリティ責任者を務めるMarie-Claire Daveu氏は、「環境問題解決に必要なのは技術革新だ。廃棄繊維の根絶と同時に新しい種類の繊維の製造を実現した今回の共同プロジェクトはその良い例だといえる」と述べた。

 原料調達や労働者の人権、環境破壊などサプライチェーン上に多くのサステナビリティ課題を抱えるファッション業界では、徐々に消費者の意識も変わりつつある。いかに持続可能な事業慣行を実現できるかが、消費者の心を掴むブランドであり続けるために必要不可欠な要素となってきている。

【リリース原文】H&M, Kering and innovation company Worn Again join forces to make the continual recycling of textiles a sustainable reality
【企業サイト】H&M
【企業サイト】Kering
【企業サイト】Worn Again

(※写真提供:JuliusKielaitis / Shutterstock.com

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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