南アジアでは森林のサステナビリティ向上への取り組みが着実に進んでいる。第三者認証機関のSCSグローバルサービス(以下、SCS)は3月25日、インド北部のウタル・プラデーシュ州の森林区域を管理しているUttar Pradesh Forest Corporation(以下、UPFC)が、Forest Stewardship Council(森林管理協議会)が運営している森林に関する国際認証のFSC認証の取得に必要な全ての要件を満たしたと発表した。今回の認証は13の森林区域、合計約35万ヘクタールを対象としており、南アジアにおけるFSC認証済森林区域の約40%を占めることになる。
UPFCはインドの北側でネパールとの国境に接しているプラデーシュ州全体の中の森林区域全域を管理しており、SCSの監査チームは6日間に渡ってデータ収集やステークホルダーへのインタビューなどを行い、森林区域やオフィスの監査を実施した。
SCSの副社長を務めるDr. Robert J. Hrubes氏は「UPFCは森林環境をより良いものとし、働く人々やコミュニティの生活向上を目指すという強いコミットメントを示してきた。UPFCは責任ある森林管理慣行をこれだけの大きな規模で実行することで、地域における貴重な参考例となっている」と語った。
UPFCが管理する各森林区域においては、原生林エリアにおける林業慣行の原則はその保護であり、既に枯れてしまった木々を取り除くことしか許されていない。計画的な伐採は指定された植林エリアに限定されており、絶滅危惧種や貴重な種が存在する区域は保護区や国立公園として認定され、いかなる伐採も禁止されている。
また、UPFCは認証済の木材とそれ以外の木材の混同を避けるための信頼性の高いシステムを既に運用している。同社は、木材が伐採される前の木々に印をつけておくことで木材のトレーサビリティを確保しており、伐採された木々は混入を避けるために分別されて保管される。
現在UPFCは2,000人以上の従業員を直接雇用しており、それ以外にも輸送業者や積荷労働者など多くの仕事に対して間接的に責任を負っている。FSC認証は、これらの労働者が公平に扱われていることを保証しており、地域コミュニティの慣習的な権利行使を認めている。
気候変動の主原因とされる森林破壊が地球規模で問題となっている中、世界最大の木材供給源でもある南アジアの森林が大規模な範囲でFSC認証を受けたことは、森林破壊の抑制に向けた大きな一歩となるはずだ。
【リリース原文】SCS Global Services Certifies One of the Largest Forest Areas in South Asia Under the Forest Stewardship Council (FSC®) Standard
【企業サイト】SCS Global Services
【企業サイト】Uttar Pradesh Forest Corporation
【団体サイト】Forest Stewardship Council
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