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【インド】バンク・オブ・アメリカ、清潔な水の提供へWater.orgに100万米ドルを寄付

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 米銀行大手のバンク・オブ・アメリカは3月23日、清潔な水と衛生環境の実現に取り組む国際NPOのWater.orgに100万米ドルを寄付すると発表した。同寄付金は、Water.orgの展開しているWaterCreditという少額融資プログラムを通じ、インド南部に住む10万人の人々に清潔な水と衛生整備を提供するために活用される。

 今、水問題は気候変動と並んで世界が関心を寄せる最大のサステナビリティ課題の一つとなっている。水問題というと水不足や干ばつ、水質汚染などがクローズアップされがちだが、世界では未だに清潔な水へのアクセスができない故に疾患に苦しむ人々が多く、清潔な水の提供、衛生設備の提供も重要な課題の一つとなっている。

 Water.orgによると、水の不衛生を原因とする下痢などの疾患はマラリアなどの致命的な感染症と並んで5歳以下の子供の主な死亡原因の一つになっているという。また、WHO(世界保健機関)は清潔な水と衛生整備の提供に1ドルを投資することで、約4ドルの経済的な利益が生じると試算している。さらに、先般行われた世界経済フォーラムの中で公表されたGlobal Risks 2015の中でも、水をめぐる危機は世界の人々の生活の質と健康を脅かす最大のグローバルリスクだと位置づけられた。

 また、水問題は環境問題だけではなく、社会問題とも密接に結びついている。貧困地域では、毎日数時間かかる水汲みのほとんどが女性の仕事となっている。衛生設備を通じて清潔な水が提供されるようになれば、女性は就労時間、女子は就学時間を増やすことができ、結果として生活の質を改善できるのだ。実際に、現在世界ではWaterCreditの利用者の9割以上が女性となっている。

 Water.orgは今回のバンク・オブ・アメリカからの寄付金を活用してインド現地の3つのWaterCreditローカル・パートナーを支援し、清潔な水と衛生整備提供のために少額融資を提供できるようにするという。返済された借入金は新たな水・衛生整備のための資金として活用し、コミュニティに長期的に大きなインパクトを生み出していく。

 バンク・オブ・アメリカでグローバル環境グループ担当役員を務めるAlex Liftman氏は「Water.orgとの今回の連携を嬉しく思っている。安全な水の供給は現代の最重要課題の一つであり、今回の連携を通じてグローバルに人の健康と環境を改善するとともに、女性のための経済的、あるいは教育機会を増やすことができる」と述べた。

 バンク・オブ・アメリカは、低炭素経済を実現するソリューションの提供に700億米ドルを投資するという目標を掲げており、クライアント向け融資や設備ファイナンス、カーボン・ファイナンスなどを通じてサステナビリティ推進に取り組んでいる。

 融資という本業を通じてインドのコミュニティを支援する取り組みは、長期的な利益に直結するサステナビリティ活動として評価できる。清潔な水と衛生設備の提供を通じて女性に就学機会、就業機会をもたらし、生活の質を向上させることができれば、融資の回収はもちろん更なる金融サービスの提供も可能となる。バンク・オブ・アメリカとWater.orgの取り組みが具体的にどんな成果を生み出すのか、今後に期待したい。

【企業サイト】Bank of America
【団体サイト】Water.org

(※写真提供:gnomeandi / Shutterstock.com

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