欧州の冷凍食品大手、イグロ・グループ(以下、イグロ)は3月25日、廃棄物の削減に取り組むチャリティー団体のWRAPと提携し、欧州各国で食品廃棄物の削減を目的とする消費者向け啓蒙キャンペーン"iFreeze"を展開すると発表した。
このキャンペーンの目的は、欧州では一世帯につき年間260ポンド相当もの食品が廃棄されているという事実を広く知らしめ、冷凍や冷凍食品を利用することでそれらの廃棄をどのように減らし、お金を節約できるのかについてのヒントやアドバイスを提供することだ。同キャンペーンはイグロが2014年10月に立ち上げた"Forever Food Together"プログラムの一環でもあり、同社が英国で展開するブランドのBirds Eyeを皮切りに、今後は他のブランドでも啓蒙キャンペーンを展開していく。
イグロはテレビや紙面広告、オンラインやパッケージなど幅広いメディアを通じて情報提供を行い、同キャンペーンに2015年中に500万ポンドを投資する。
イグロが実施した調査によると、欧州では5人に1人は量が多すぎた(22%)、賞味期限が過ぎたといいった理由(20%)で食品を捨てているという。また、同調査では、消費者らは現在の食品表示を紛らわしいと感じていることも明らかにしている。賞味期限が切れた食品を捨てることはもったいないと感じる人は71%以上いる一方で、消費期限切れの食品を捨てることがもったいないと感じる人は33%しかいなかった。さらに、お茶を捨てることは食品廃棄物ではないと考えている人は24%もいるのに対し、実際には食品廃棄物の17%を飲み物が占めていることから、消費者は自身が意識している以上に多くの廃棄物を出していることが分かる。
イグロの英国MDを務めるAndy Weston-Webb氏は「保存手段としての冷凍や冷凍食品は、いずれも食品廃棄を減らし、消費者のお金を節約する上で重要な鍵を握る可能性を秘めている。冷凍食品における欧州のリーディングカンパニーとして、我々は消費者の教育を支援するべきであり、することができる。消費者は他の組織と連携する企業を好むということを調査は示しており、このWRAPとの提携は、我々のメッセージを更に昇華させることを可能にしてくれる。Birds EyeがiFreezeキャンペーンを展開する最初のブランドとなることを嬉しく思う」と語った。
また、WRAPの理事長を務めるLiz Goodwin氏は「WRAPは、冷凍すれば後で食べられるにも関わらず毎年85万トンもの食品が我々の家庭から無駄に廃棄されているという調査結果を持っている。これは30億ポンドに相当する量だ。そのため、食品廃棄を減らすための意識向上と情報提供はとても重要であり、我々はイグロと提携できて嬉しく思っている。この提携により、2025年までに英国の住宅から出る食品廃棄物を半減させるという我々の目標がより実現に近づいた」と語った。
冷凍や冷凍食品の正しい利用方法を通じて食品の廃棄物を減らすというキャンペーンは、冷凍食品の販売を手がける同社にとっては事業にも直結する優れたCSRキャンペーンの事例だと言える。
【リリース原文】Iglo Group and WRAP launch Partnership to Reduce Food Waste
【企業サイト】Iglo Group
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