女性の差別撤廃と地位向上を訴える目的で国連が制定した国際女性デー(International Women's Day)に合わせ、世界中の証券取引所がUN Women、国連グローバルコンパクト、Sustainable Stock Exchanges(SSE:持続可能な証券取引所イニシアチブ)らの呼びかけに答える形でジェンダー平等と女性の職場、市場、社会における地位向上の実現を目指して取引所の鐘を鳴らした。
3月9日のニューヨークのナスダック市場では、第4回世界女性会議、北京宣言からの20周年と国際女性デーを記念し、UN Womenと国連グローバルコンパクトによる共同イニシアチブ、「女性のエンパワーメント原則(以下、WEPs)」の関係者らが見守る中、デロイトLLPの次期CEO、Cathy Engelbert氏が取引開始の鐘を鳴らし、大きな盛り上がりを見せた。
Engelvert氏は、「国際女性デーのためにナスダックでのオープニングを行うことは大変な名誉なことだ。デロイトはWEPsの7項目の開発に貢献しただけではなく、自社にその原則を取り込み、世界中でジェンダー平等を推進する努力をしている」と語った。
この世界同時イベントにはボンベイ証券取引所、イスタンブール証券取引所、エジプト証券取引所、NASDAQ、ナイジェリア証券取引所、OMXストックホルム、ワルシャワ証券取引所が参加したほか、UN Womenおよび国連グローバルコンパクトの地域支部の支援のもとでその他の証券取引所でもジェンダー平等を推進するイベントが開催された。
国連グローバルコンパクトのエグゼクティブ・ディレクターを務めるGeorg Kell氏は「ボンベイからニューヨークまで、ジェンダー平等のために鐘が鳴っている。WEPsおよびSSEの両方の主催者として、国連グローバルコンパクトは証券取引所、企業、投資家、政府と国連がジェンダー平等のために一丸となって協力することが必要だと考えている。政治、経済、生活のあらゆるレベルにおいて女性の完全かつ効果的な参画を実現するためには、全てのステークホルダーのより深いコミットメントが必要だ」と語った。
また、PRIのマネージングディレクターを務めるFiona Reynolds氏は「ジェンダーの平等は経営陣のダイバーシティから教育機会の平等にいたるまで、全ての人々に関わる問題だ。我々は多くの努力を続けてきたが、まだまだ先は長い。PRIは、全ての市場関係者がジェンダー平等の実現に向けて自身の取り組みを前に進めるよう呼びかけた証券取引所、企業代表者、国連関係者らによるリーダーシップを歓迎する」と述べた。
SSEなどを通じてサステナビリティ投資の推進においてリーダーシップを発揮している世界の証券取引所が、ジェンダー平等の実現においても積極的にイニシアチブをとり、企業に対して働きかけを行っている。この世界の大きな潮流の中で、未だ女性の役員・管理職比率が先進国で最低レベルにある日本は今後どのように対応していくのか、日本企業には具体的な行動が問われている。
【団体サイト】UN Women
【団体サイト】UN Global Compact
【団体サイト】Sustainable Stock Exchange Initiative
【団体サイト】Women's Empowerment Principles
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