ビール醸造大手のハイネケンとUNIDO(国連工業開発機関)は2月27日、新興国のインクルーシブな成長の実現に向け、今後、主に水問題を中心として様々なサステナビリティ課題の解決に向けて協働していくことを発表した。
今回の新たなパートナーシップは主に水資源不足が深刻化している国・地域における水問題の解決に焦点を当てており、またこれはハイネケンが掲げる水不足地域で運営している醸造所の水使用量を3.3 hl/hl(使用水量対生産量の比率)まで減らすという目標の一環でもある。同パートナーシップによる水使用量削減の取り組みは最初にアルジェリア、エジプト、エチオピア、インドネシアなどから展開される予定だ。
また、同パートナーシップを通じ、ハイネケンは同社の展開するサプライヤー・デベロップメント・プログラムの更なる拡大も模索する予定だ。ハイネケンは既に9ヶ国にわたる10万以上の農家の支援を行っており、原材料の60%を現地調達とすることで更に地域コミュニティの生活向上に貢献するという目標を掲げている。
さらに、同パートナーシップの一環として、コストおよび環境負荷の削減を目的としてアフリカにある醸造所における再生可能エネルギー源のフィジビリティ調査も実施される予定だ。醸造所の余剰電力をいかにして地域コミュニティに供与するかも探ることになる。
UNIDOの事務局長を勤めるLi Yong氏は「ハイネケンと共に野心的な目標を具体的なアクションに移していくことを楽しみにしている。最終的に我々は新興国の人々の生活を改善するとともに、ビジネスチャンスの溢れる市場開拓をしていきたいと思う」と語る。
また、ハイネケンの広報最高責任者を務めるSean O’Neill氏は「今回のUNIDOとの連携は、『より良い世界を醸成する』という我々の経営理念の核にある目標達成に貢献するだろう。また、同パートナーシップは全てのステークホルダーを取り込むインクルーシブな成長の方法を生み出すという我々の願望を実現する手助けとなる」と述べた。
ビール醸造を手がけるハイネケンにとって水の持続可能な供給は事業の根幹に関わる問題だ。UNIDOとの連携により同社がどのように新興国の水問題に取り組み、自社の持続的な成長につなげていくのか、今後の取り組みに注目だ。
【企業サイト】HEINEKEN
【団体サイト】The United Nations Industrial Development Organization
(※写真提供:Eugenio Marongiu / Shutterstock.com)
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