アップルは2月23日、17億ユーロを投資して新たにヨーロッパに再生可能エネルギー100%のデータセンターを2つ建設すると発表した。2つの施設はアイルランドのゴールウェイ州およびデンマークのユトランド半島に建設される予定で、欧州全域の消費者向けに同社が提供しているオンラインサービスに必要な電力を供給する。
従来のアップルのデータセンターと同様、新設される2つのデータセンターは初日から100%再生可能エネルギーで稼動する。また、現地のパートナーと提携しながら風力など別の再生可能エネルギープロジェクトも展開する予定だ。これらの2施設はアップルが運営するデータセンターの中で過去最少の環境負荷となる見込みだ。
さらに、同データセンターには現地コミュニティに貢献するための工夫も凝らされている。アイルランドでは原生林の再生プロジェクトが実施されるほか、地域住民向けの遊歩道や地元の学校向けの野外授業スペースが設けられる。デンマークでは、発電機の追加を回避するためにデータセンターを現地の最大規模の変電所の付近に設置するほか、稼働中の余熱を施設内から地元の住宅暖房システムに供給できるように設計される。
アップルの最高経営責任者を務めるTim Cook氏は「この新たな投資はこれまでヨーロッパでアップルが行ってきた中で最大のプロジェクトとなる。我々が事業を拡大することで現地の雇用が創出され、環境保護の面で最も先進的な建築デザインを披露できることをたいへん嬉しく思う」と語った。
また、アップルの環境イニシアチブ担当副社長を務めるLisa Jackson氏は「イノベーションとは、この世界を今よりもさらに良いものにして後世に残すことであり、気候変動に対する取り組みを始めるのは今だと我々は信じている。アイルランドとデンマークでグリーン産業の成長を促し、強風を資源として活用するエネルギーシステムの開発に大いに期待している」と語った。
2013年に米国環境保護庁の元長官、Lisa Jackson氏を環境担当副社長に迎えたアップルは、今や製品・サービスだけではなく環境面においてもその革新的な取り組みで業界を牽引する存在となりつつある。
【企業サイト】Apple
(※写真提供:Lester Balajadia / Shutterstock.com)
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