米自動車大手ゼネラル・モーターズ(以下、GM)は2月17日、同社として初めて風力発電から電力を調達することを決定した。メキシコ国内の自社製造工場で消費されるほとんどの電力を再生可能エネルギーから調達することになる。
再生可能エネルギー利用を2020年までに125MWとするという目標に掲げているGMだが、現状では太陽光、埋立地ガス、廃棄物利用エネルギーなどから104MWを利用するに留まっている。今回購入が予定されている34MWの風力エネルギーが加われば、自社の目標を4年前倒しで達成することになる。また、同社の北米地域における再生可能エネルギー利用の割合は現在の9%から12%に増加する。
GMが風力エネルギーの購入契約を締結したEnel Green Power社は、メキシコのパロ・アルトにおいてウィンドファーム(集合型風力発電所)の建設を今年中に開始する予定で、GMが購入を予定している34MWの電力は風力タービン17基分の発電量に相当する。
新しく風力発電から得られるエネルギーのうち75%は、約420m2の敷地を有するトルーカ工場に供給される予定で、同工場はGM最大の再生可能エネルギー利用工場となる。残りの風力エネルギーもメキシコ国内工場へ供給される予定で、これにより年間4万トン相当のCO2削減が予想されている。
GMのグローバル製造担当副社長を務めるJim DeLuca氏は「持続可能な製造プロセスに対する我々のコミットメントは、我々が働き、生活するコミュニティに貢献し、その質の向上を目指す一つの方法だ。より多くの再生可能エネルギーを利用することで、コスト、リスク、カーボンフットプリントの低減につながる」と語った。
また、同社の再生可能エネルギー・グローバル責任者を務めるRob Threlkeld氏によれば、「メキシコは、初めて風力エネルギープロジェクトを行う当社にとって理想的な場所だ」という。というのも「風力エネルギーが国内電力系統に送られるため、各工場におけるエネルギー負荷の調整が容易である」ことに加え「従来の電力だと料金が米国より3分の1ほど高くなるため、ビジネスの面でも良い」からだという。
GMは、米国内企業の再生可能エネルギー調達を促進し2025年までに風力および太陽光エネルギー調達量を倍増させることを目的としてRocky Mountain Institute が2月初旬に立ち上げたBusiness Renewables Centerにも創立メンバーとして参加している。これは、世界自然保護基金(WWF)、世界資源研究所(WRI)、BSRらによるイニシアチブ、Corporate Renewables Partnershipのもとで実現した取り組みの一つだ。
【企業サイト】General Motors
【参考サイト】GM Sustainability
【団体サイト】Rocky Mountain Institute / World Wildlife Foundation / World Resources Institute / BSR
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