英国ロンドンに拠点を置くリサーチ会社のVerdantixは2月18日、世界におけるサステナビリティ・コンサルティングの市場規模予測を発表した。同社の発表によると、2015年の市場規模は8.77億USドルで、2019年には10億USドル規模まで拡大するとのことだ。同市予測は13カ国、21業界に渡る260名のサステナビリティ責任者へのインタビューおよび、5,662企業の財務データに基づいており、今後5年間で同市場は年率4%の成長で推移するという。
Verdantixでアナリストを務めるYaowen Ma氏は「10年前はサステナビリティ・コンサルティング市場はコンサルティング業界の中で個別のカテゴリーとしては存在していなかった。しかし、状況は大きく変わり、2015年には大手企業らがサステナビリティ報告、エネルギー効率化、サステナビリティリスク評価、サステナビリティ戦略、サステナブルなサプライチェーン、サステナブル製品に関するコンサルティングサービスに8.77億USドルを費やす見込みだ。しかしながら、これは当初、4大会計ファームが期待していたほど大きな規模ではない」と語る。
同社がまとめた調査報告書"Sustainability Consulting: Global Market Forecast 2015 - 2020"は、サステナビリティ・コンサルティング市場が伸び悩みを見せている理由について下記の点を指摘している。
- サステナビリティ責任者からの支出は48%しかなく、他部門が残りの52%を占めている。
- 中国やインドといった急成長中の新興国はサステナビリティ・コンサルティングへの支出が未だに少なく、世界全体の19%しか占めていない。
- 1企業あたりのサステナビリティ・コンサルティングへの支出は年間15~20万USドルにとどまっており、コンサルティング会社の最適な契約規模を下回っている。
Verdantixにてマネージング・ディレクターを務めるRodolphe d’Arjuzon氏は「今回の調査で、企業らによる大量のサステナビリティ報告書や広報は、今のところサステナビリティ関連アドバイスへの支出にはつながっていないことが明らかになった。しかし、社会、環境に関するサプライチェーンコンプライアンス、インドにおける新たなCSR支出に関する法規制などのイニシアチブに目を向ければ、4%という低い成長率を上回る成長機会があることが分かる」と語る。
今後のサステナビリティ・コンサルティング市場の成長の鍵を握るのは、先進国だけではなくインドや中国をはじめとした新興国における課題だ。また、更なる市場拡大に向けては、サステナビリティ関連サービスの提供企業が単に企業側の意識向上だけを期待するだけではなく、自社のサービスやソリューションを通じてどのように顧客企業を成長させ、サステナビリティを本当に意味で顧客の成長ドライバーにしていけるかにもかかっている。
【レポートダウンロード】Sustainability Consulting: Global Market Forecast 2015 - 2020
【企業サイト】Verdantix
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