米国小売最大手のウォルマートは2月10日、米国2番目のスピードで成長している輸入ビールブランドのLucky Buddha Beer社、Noble Environment Technologies社とともにECORというサステナブル素材でできたエンドキャップ・ディスプレイ(商品棚の端部分の販促用展示)を開発したと発表した。同ディスプレイはウォルマートの一部店舗で設置される予定だ。
ウォルマートは昨年の4月、同社のCEO、Doug McMillon氏が主要なサプライヤーの経営陣をSustainable Product Expo(持続可能な製品展覧会)に招き、より持続可能な事業慣行や商品の実現に向けて協働することを呼びかけていた。この呼びかけに対応し数多くのサプライヤーがウォルマート店舗内におけるより持続可能な販促、POP展示に関する基準の向上にコミットしていた。
ウォルマート社のサステナビリティ担当副社長を務めるManuel Gomez氏は「2005年、ウォルマートはエネルギー、廃棄物、サステナブルな製品など我々の事業と製品の全ての領域における3つの野心的なサステナビリティ目標を掲げた。これらの目標を掲げて以降、ウォルマートは自身の事業から生まれる廃棄物だけではなく、我々が販売する製品やパッケージから生まれる廃棄物の問題にも積極的に取り組んできた。そのため、我々はこのサステナブルなPOPディスプレイの開発に向けてLucky Buddha BeerとNoble Environment Technologiesが協働できたことを嬉しく思う。この取り組みは2025年までに我々の事業において埋め立て廃棄物をゼロにするというコミットメントを実現する手助けとなるだろう」と語る。
ECORは、Noble Environment Technologiesと米国の農務省が開発したサステナブル建材で、有害物質ゼロ、揮発性有機化合物ゼロ、100%リサイクル素材から作られている。従来の木材や合板、プラスティックなどにとって代わる、100%バイオ由来認証済の先進的なサステナブル建材だ。小売店にある従来の販促物は主に段ボールによって作られていたため、すぐに劣化してしまい頻繁な交換が必要だったが、ECORによってつくられるディスプレイは壊れたり劣化したりすることもなく、1年間以上使用することができる。
Sage BeveragesのCEOを務めるKevin Swadish氏は「我々は、ウォルマートの店舗内でLucky Buddha Beerをより持続可能で耐久性の高いPOPディスプレイを用いて販売するためにウォルマートと協働できることを嬉しく思う」と述べた。
また、Noble Environment Technologies社の創業者兼CEOのRobert Noble氏は「ウォルマートによるサプライチェーンのサステナビリティへの注力により、ECORはLucky Buddha Beer社にとって最良の素材となっている。ウォルマートはサステナビリティ目標の設定およびその達成に関して一流で、 リサイクルの取り組みも進んでいる。Lucky Buddha BeerのようなサプライチェーンにECORを統合するサプライヤーの存在により、そこには更なる原料使用、物流コスト、カーボンフットプリントの削減機会が生まれている。さらに、ECORによる展示は、廃棄物削減に向けた努力を可能とし、ライフサイクルの最後にはECORや他のリサイクル素材へ活用することができるようになっている」と語った。
ウォルマートは店舗内のPOP展示物にいたるまで徹底的にサステナビリティにこだわり、サプライヤーと協働して廃棄物の削減に取り組んでいる。世界中の多くのサプライヤーに対して多大な影響力を持つ同社だけに、今後も自社のビジネスを通じてどのようにサプライヤーの事業慣行を変えていくのか、引き続き注目だ。
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(※写真提供:Ken Wolter / Shutterstock.com)
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