米国消費財大手のP&G社と米国電力最大手、エクセロン社傘下のコンステレーション社は2月12日、最大50メガワットの発電が可能なバイオガスプラントの開発計画を発表した。このプラント開発によって、P&G社の再生可能エネルギー使用は大幅に増加し、2020年までに総使用エネルギーの30%を再生可能エネルギーから調達するという同社の目標に大きく近づくことになる。
コンステレーション社が2億USドルをかけてこの熱電併給プラントを建設予定で、ジョージア州オールバニにあるP&G社の製紙工場に蒸気を、地元の電力会社ジョージアパワー社に電力を供給する予定だ。
P&G社のオールバニにある施設では、30年以上前から小型の現場用バイオマスボイラーを用いて全使用エネルギーの約30%を廃材から転換された再生可能な蒸気で賄ってきた背景がある。今回新設備が開発されることで、ペーパータオルBountyとトイレットペーパーCharminの製造で必要となる全ての蒸気と60~70%の電力を賄えることになる。
P&Gのグローバルベビー・女性・ファミリーケア部門にてサステナビリティ担当エグゼクティブスポンサーを務めるMartin Riant氏は「このプロジェクトによって、BountyとCharminという当社の代表的な2ブランドの製造工場を再生可能エネルギーによって操業できることになる。これは当社の事業だけでなく、消費者、ビジネスパートナー、環境の全てにとって"Win”だと考えている」と語った。
P&G社とコンステレーション社は、施設の初期計画段階で同プロジェクトの持続可能な「調達基準」を大まかに定め、プラントに供給される燃料は現地の林業で廃棄された木や枝、廃材、ピーカンナッツやピーナッツの殻、おがくずなどの廃棄物を含むバイオマス、とした。これらの調達基準は、ティッシュ、タオル、吸水性衛生材料事業におけるP&G社の木繊維調達方針と、環境に優しいエネルギーの選択肢を顧客に提供するというコンステレーション社の取り組みを強化するものだ。
現場ではすでに建設作業が開始されており、プラントは2017年6月には商業運転を開始する予定とのことだ。また、建設によりこの2年で最大500人の新規雇用を、またプラントが建設され運転が開始されれば、さらに50~70人の継続的な現地雇用が創出されると見込まれている。
地元オールバニからも歓迎されているこのプロジェクトの今後の動きに注目したい。
【企業サイト】P&G
【企業サイト】Constellation
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