持続可能な低炭素社会の実現を目指す企業ネットワーク、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(以下、Japan-CLP)は3月2日、「日本の気候変動政策に関する政策提言」を発表した。
同提言は、海外や日本を取り巻く気候変動に関する動向や科学的知見などを踏まえ、日本の政策立案者らに対し、世界の気候変動対策におけるリーダーシップの発揮、IPCC第5次評価報告書のメッセージに整合する意欲的な削減目標の設定、目標達成に向けた炭素への価格付けを含むグリーン経済への移行などを求めるものだ。
具体的には、日本の長期目標である温室効果ガスを「2050年までに80%削減する」という目標は「最低限」だとしたうえで、政府に対して2030年を目途とする中期目標の設定、2020年目標の見直しなどを提言している。
また、企業に対してはサプライチェーン全体を通じた省エネ・省資源型事業活動および商品開発の強化、政府や異業種との連携による低炭素社会基盤構築への積極的な参画を求めている。
Japan-CLPは低炭素社会の実現に向けた企業主導の行動を目指して2009年7月に設立された日本独自の企業グループで、現在アスクル、イオン、オリックス、佐川急便、DOWAエコシステム、富士通、LIXILグループ、リコーの8社が会員として活動している。
国際社会では、今年の12月にパリで開催されるCOP21での国際枠組みの合意に向け、各国で準備が進んでいる。昨年11月には米国と中国が共同声明を発表し、米国は2025年までに2005年比で26~28%の削減を、中国は2030年をめどになるべく早いタイミングでCO2排出量をピークアウトし、加えて2030年までに非化石燃料比率を約20%まで上昇させるという目標を掲げた。
一方で、日本では温室効果ガス排出量の2020年以降に向けた削減目標等の具体的な議論はまだ始まったばかりだ。世界第5位の温室効果ガス排出大国であり、一人当たり排出量も中国の約1.4倍、インドの約6倍に上っている日本が、世界の気候変動対策においてどのようにリーダーシップを発揮することができるのか、12月のCOP21に向けて早急な議論と対応が求められている。
提言の詳細は下記からダウンロード可能。
【提言ダウンロード】日本の気候変動政策に関する政策提言
【団体サイト】日本気候リーダーズ・パートナーシップ
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