再生可能エネルギーの取り組みにおいて常に全米をリードしてきたカルフォルニア州が、また一つ大きな決断を下した。カリフォルニア州のCPUC(California Public Utilities Commission:公共事業委員会)は2月6日、"Green Tariff Shared Renewables Program"を承認した。この制度により、カリフォルニアの企業および3800万人の住民は、再生可能エネルギー由来であることを保証された電力をはじめて購入することができるようになる。
同制度は、カリフォルニア州の電力供給の8割を担っている3大事業者、パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック社、南カリフォルニア・エジソン社、サンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリック社に対し、100%Green-e Energy認証済みの再生可能エネルギーを購入するという選択肢を顧客へ提供するよう求めるものだ。Green-e Energy認証は再生可能エネルギー利用を推進している米国のNPO、Center for Resource Solutions(以下、CRS)が提供している認証制度で、利用する電力が再生可能エネルギーから生成されていることを保証するものだ。
また、同制度では所得水準に関わらず全ての顧客がカルフォルニア州の現在定めている目標(2020年までに電力販売量の33%を再生可能エネルギーにする)を上回る量の電力が購入できるように、電力事業者に対して幅広い選択肢を用意するよう求めている。
今回のCPUCによる承認は、2013年の9月にカリフォルニア州上院が可決した法案”Green Tariff Shared Renewables Program”の実行に向けた第一歩となる。同法案では電力会社3社に対し、州の掲げる再生エネルギー利用目標(33%)を上回る電力提供プログラムを開発するよう求めていた。
今回の発表に当たり、CRSの事務局長を務めるJennifer Martin氏は「カルフォルニア州は、週全土の人々や企業に対して再生可能エネルギーを利用するという選択ができるようにしたことで、引き続き全米をリードし続ける。今回の決定により、増加しつつある再生可能な電力への需要はすぐに満たされ、さらに新たな再生可能エネルギー開発にも拍車がかかるだろう」と語った。
カリフォルニア州の知事を務めるJerry Brown氏は2015年1月の就任式で2030年までに電力の再生可能エネルギー比率を50%に高めるという目標を発表するなど、同州は全米の中でも特に先進的な環境政策を進めていることで知られている。今回の制度により地元企業や商店、消費者らによる再生可能エネルギー電力の購入が進めば、50%という目標もさらに現実味を帯びてくる。
【参考サイト】California Directs State's Largest Utilities to Offer Green-e Energy Certified Green Power Programs
【団体サイト】Center for Resource Solutions
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら