あなたが使っているスマートフォンやタブレットは、環境や社会に十分に配慮された形であなたの手に届き、あなたの使用後も環境に負荷がない形で処理されていくだろうか?その答えを教えてくれるのが、AT&Tが先日新たにアップデートを発表した製品レーティングシステムだ。
米国通信最大手のAT&Tは1月6日、米国ラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショーにおいて、スマートフォンやタブレットなどの環境・社会面への配慮状況を消費者が簡単に知ることができるレーティングシステムの次世代アップグレード版、Eco-Rating 2.0を発表した。
従来からAT&Tが独自に提供してきたEco-Ratingをさらに進化させたEco-Rating 2.0では、環境に優しい原材料の使用、有害の懸念がある物質の使用最小化、エネルギー効率化、製品使用後の責任ある処理など、製品の製造に関連する社会的要因および環境的要因が評価される。
今年から製品ラインに加わるフィーチャーフォン、スマートフォン、タブレット端末などのAT&Tブランドの端末も、Eco-Rating 2.0の判定基準に基づき1つ星から5つ星までの評価を受ける。Eco-Rating 2.0の新しい基準によって評価されたデバイスは、2015年の前半には市場に登場する予定だ。
AT&Tモビリティの副社長で、デバイスマーケティングおよび開発者サービスを担当するJeff Bradley氏は「当社の新しいエコ・レーティングシステムは、製品購入の際、消費者が容易にサステナビリティを考慮した決断を行うことを可能にする」とし、さらに今回アップデートされた判定基準は「デバイスの製造者に対して、サステナビリティへのコミットメントを一段階押し上げる後押しとなる」と述べた。
AT&Tは、サステナビリティ分野のグローバル非営利ネットワーク、BSR(Business for Responsibility)と協力し、業界内の専門家やステークホルダーらとの協議を経て同システムを開発した。2012年にAT&Tブランドの製品が発売開始された当初から、消費者は同システムによって同ブランドのデイバスの環境面における特性を知ることが可能であった。エコ・レーティングで4つ星以上の評価を受けているAT&Tのデバイスは、2014年10月の時点で70%を超えている。
BSRの上席副社長を務めるEric Olson氏は「AT&Tのアップデートされたレーティングシステムは、テクノロジー端末のサステナビリティへのインパクトに対してよりホリスティックな視点を提供している。これらの努力はテクノロジー企業に対して高くて重要なハードルを設定することになり、彼らが製造過程に関わる環境・社会的なインパクトの改善に向けた革新的な役割を果たすように促している」と語った。
Eco-Rating 2.0の判定基準はUL規格を含む複数の国際的規格にも認定されている。Eco-Rating 2.0の詳細および各製品の情報については、AT&Tのユーザー向けWebサイトEcoSpaceで確認することができる。また、各製品のレーティングはパッケージでも確認可能だ。
AT&Tはサステナビリティの観点からの製品評価、そしてその情報の消費者への公開を通じてテクノロジー業界全般の事業慣行を改善しようとしている。実際にこのシステムが消費者の購買行動に影響を及ぼすことができるようになれば、非常に大きなインパクトを生み出すことが期待できるアプローチだ。
【参考サイト】Eco-Rating 2.0 / EcoSpace
【企業サイト】AT&T
【団体サイト】BSR
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