バスク自治州の地方当局は、2月5日と6日の二日間に渡り、ウルダイバイにあるバスク生物多様センターで、「ウルダイバイの持続可能な観光会議」の第一回会合を開催、「欧州持続可能な観光憲章(CETS)」への採択を目指す決議を行った。会合には、バスク観光庁、バスク環境局、ビスカヤ県評議会等、バスク自治州の環境・観光関連の当事者が集い、ウルダイバイ地区の自然保護と環境業のあり方について検討が行われた。
「欧州持続可能な観光憲章」は、欧州地域をカバーするNPOであるEUROPARC Federation(ユーロパーク連盟)が1991年に制定したガイドライン。ユーロパーク連盟は欧州35ヶ国以上、400以上の自然公園が自主的に参加する組織で、自然保護区域の運営方法のあり方を検討している。「欧州持続可能な観光憲章」では、自然保護区域を観光業としての経済的価値として活用し、自然保護区域の管理をより持続可能にしていくためのガイドラインを定めている。
会合が開催されたウルダイバイ地区には、ウルダイバイ河口という自然保護区域があり、ユネスコの生物圏保護区(Biosphere Reserves)に指定されている。会合では、直接的な当事者である、教育機関関係者、サービス業などの企業関係者、観光部門の専門家などが主な参加者となったが、保護区域における持続可能な観光は地域全体の経済発展にとっても重要なテーマであるため一般人にも公開された。バスク地方での検討は始まったばかりで、採択までにはまだ5年ほどかかる見込みだという。しかしながら、進めていく上で重要なプレーヤーとなる企業を巻き込んでいくプロセスは既に開始しており、今回の会合にも多数企業関係者が招待された。バスクの政府当局が想定するロードマップは3段階に分かれている。まずは、ユネスコの生物圏保護区事務局が憲章採択に向けた申請手続きを行う。続いて自然保護区域に関係する企業との協働プラットフォームを創設し、最後に旅行代理店とのネットワーク形成を行っていく。
ウルダイバイ生物保護区が「欧州持続可能な観光憲章」を採択することで、観光振興と自然保護の両立を推進していくための公民連携が進むことが大きく期待されている。今回の会合でも既に関係者が率直な意見交換を行い、お互いにできる改善を迅速に進めていく。今後は旅行代理店など観光業関係者の参加が鍵を握ると見られており、観光業者を含めた議論の場を望む声も出ている。
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