トランジション・イニシアチブとは?
トランジション・イニシアチブとは、ピークオイルと気候変動という危機に対して、市民の創意と工夫、および地域の資源を最大限に活用しながら脱石油型社会へ移行(Trasition)し[1]、レジリエンスのあるコミュニティの構築を目指す[2]運動のことを指します。地球規模で考え、ローカルに行動することを原則に、欧州やアメリカを中心とした1,107を超える運動が43の国と地域で実践されています[3]。
概要
- 発祥の地:Kinsale, Ireland / Totnes, UK
- 発祥の年:2005年
- 提唱者:Rob Hopkins(ロブ・ホプキンス)(UK・パーマカルチャー講師)
具体的な取り組み
それぞれの運動を実践するメンバーたちは「自分たちのエネルギーの消費量をどうしたら減できるか」という問題の解決に向けて独自の工夫とアイデアのもと取り組んでおり、各運動で共通してみられる活動の一例としては地域通貨の発行、地産地消の実践、地域でのエネルギーの自給自足などが挙げられます。
他の環境保護活動の取り組みと異なる点は、コミュニティのレジリエンスの構築をメインの目的としているという点です。「レジリエンス」は「復元力」という意味だが、コミュニティにおけるレジリエンスは石油不足や食料の不足など外部からの障害に対応し維持できる能力[4]のことを指します。モノやサービスの需要と供給がコミュニティ内で満たされることや、コミュニティ独自の特色や解決策をもつことができることがレジリエンスの高いコミュニティの利点だと言えます。
日本での現状
日本では、2008年にトランジションの考えを広めるためにNPO法人トランジション・ジャパンが設立されました。それをきっかけとして現在(2012年末時点)では37の地域でトランジション・タウンが誕生しています。そのうちトランジションタウンネットワークから公式にトランジション・タウンとして登録されたのは藤野(神奈川・相模原市)と葉山(神奈川・葉山市、逗子市)の2地域となります。
補足情報
提唱者ロブ・ホプキンスについて
http://www.transitionnetwork.org/blogs/rob-hopkins
トランジション・イニシアティブとトランジション・タウンの違い
トランジション・タウンの後継にあたる言葉がトランジション・イニシアティブです。トランジション・タウンの概念が広まっていくうちにその対象がタウンという言葉で収まりきれなくなったため、イニシアティブに取って代わりました。
参照文献・参照URL
- NPO法人トランジション・ジャパンによる定義
- l15p231ロブ・ホプキンス(2013)「トランジションハンドブック―地域レジリエンスで脱石油社会へ―」
- Transition Network.org よりhttp://www.transitionnetwork.org/where
- l8p71 ロブ・ホプキンス(2013)「トランジションハンドブック―地域レジリエンスで脱石油社会へ―」
- NPO法人トランジション・ジャパン公式ウェブサイト
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