第34回中国-EU人権対話が11月30日、北京で開催された。この人権対話は1995年に始まりすでに20年に及ぶ。今回は、李軍華・中国外交部国際合作司司長とウゴ・アストゥートEU対外活動庁アジア太平洋総局長代理が共催し、人権領域での意見交換を行った。とりわけ、中国側は最高人民法院、全国人民代表大会常務委員会法制工作委員会、公安部、国家宗教事務局など10部門が参加し、関心の高さを見せた。
中国-EU人権対話の場では歴史的に双方が人権問題について率直で深い意見交換を行ってきた。今回の対話でもEU側は、中国側の人権法制が未整備である点を問題提起。指摘事項は、反テロリスト、サイバーセキュリティー、国際NGO活動等の国家安全保障分野での法制化が進展していない点や、社会権規約委員会が規定する「適切な居住権」及び戸籍制度改革の問題、チベットや新疆地区の少数民族の権利、信教の自由、表現の自由、結社の自由、立法プロセス、当局による恣意的拘束、拷問、死刑などに及んだ。また、今年7月から8月にかけて人権弁護士や活動家が大量に逮捕された問題もEU側は取り上げた。一方中国側は、ヨーロッパで深刻化する移民保護、外国人排斥主義、宗教差別の問題を取り上げ、適切に解決するよう要求した。
昨年、EU中国関係40週年を記念して習近平国家主席がEUを訪問し、「四大パートナシップ」構想を打ち出した。四大パートナーシップは、欧州と中国に共通する歴史観を強調し、平和、成長、改革、文明の4点で中国と欧州の友好関係を親密化させていくことを意味しており、近年EUと中国の関係は近くなっている。中国側は来年から始まる第13次5ヵ年計画の中でも人権課題を進展させることをうたう予定で、今回の積極的な対話参加は、EUとの友好関係を追い風に体外的な理解を醸成する動きと言えよう。
【参照URL】中欧举行第34次人权对话 双方认为对话增进彼此理解
【参照URL】34th EU-China Dialogue on Human Rights
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