サステナビリティ先進企業として知られる家具業界最大手のIKEAが、再生可能エネルギー投資を加速している。
IKEAは11月18日、テキサス州にある165メガワットの集合型風力発電所をApex Clean Energy社から取得したと発表した。これは、同社の再生可能エネルギー投資で過去最高規模となる。同発電所はテキサス州南部のキャメロン郡に既に建設中で、2015年後半には全55タービンから成る風力発電所がフル稼働することになる。
同社は今年の初めにイリノイ州フープストンの風力発電所を購入したことも発表しており、今回の発表と合わせると1年あたりおよそ1,000ギガワット時の発電を見込んでいる。これは米国における平均家庭の年間電気使用量90,000世帯分に相当する発電量だ。
また、同社は米国で展開する店舗の90%に合計165,000枚の太陽光発電パネルを設置しており、38メガワット分の出力を保有している。さらに、冷暖両方の地熱システムをコロラド州、カンザス州にある2店舗で導入しているほか、9カ国で279の風力タービン稼働を建設中で、2015年までに再生可能エネルギーに対して合計1.9億ドルの投資を計画している。
IKEA社は、今年の9月に行われたClimate Week NYC2014で発足したThe Climate GroupとCDPによる共同プロジェクト、”RE100プロジェクト”の参加メンバーでもある。同プロジェクトでは、NGOや環境問題の専門家、IKEA、Swiss Re、BTをはじめとする大手企業が協力し、2020年までに世界中の100の大企業の事業運営を100%再生可能エネルギーに転換することを目指している。
IKEAグループで最高サステナビリティ責任者を務めるSteve Howard氏はそこで、「再生可能エネルギーへの投資は、ビジネスとして全くもって合理的なものだ。それは財務的リターンという点でも価値観という点でもIKEAの期待に沿っている。企業には安定的かつ経済的で安全なエネルギー供給が必要だが、それを長期的に実現できるのはクリーンエネルギーだけだと言える」と語った。
また、The Climate Groupの役員を務めるBen Ferrari氏は、「IKEA社の風力発電所取得は、クリーンテクノロジーへの投資が企業にとって増益以上の便益をもたらす賢明な選択だと判断したことの証明だと言える。IKEAはかねてから将来の地球環境を見越し、他社に先がけて低炭素化に向けた投資を行っている。RE100プロジェクトで再生可能エネルギー100%へと動き出した企業と同様に、IKEA社のクリーンエネルギー化に向けたビジョンと行動はとても素晴らしいものだ」と述べた。
IKEAは、再生可能エネルギー投資をはじめとするサステナビリティの推進はビジネスの視点で考えて合理的な判断だという明確な価値観があり、そこに迷いがない。自社および自社製品のサステナビリティ向上を通じて消費者の毎日の生活をよりサステナブルなものにするという同社のビジョンは、大胆なコミットメントと多額の投資により具現化が進んでいる。
【リリース原文】The IKEA Group Makes Largest Wind Farm Investment to Date
【参考サイト】The Climate Group "IKEA buys biggest ever wind farm and plans to invest US$2 billion in renewables by end of 2015"
【企業サイト】IKEA
【企業サイト】Apex Clean Energy
(※写真提供:Niloo / Shutterstock.com)
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