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【国際】EU首脳、2030年までに温室効果ガスを1990年比で40%削減に合意

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喫緊のグローバル課題である気候変動対策に向けて、EUがまた大きな一歩を踏み出した。EUは10月24日、気候とエネルギーに関する2030年目標とそれを達成するための枠組みについて、EU加盟国政府の首脳で合意に達したと発表した。今回合意に盛り込まれた目標は下記の通りだ。

  • 2030年までに温室効果ガス排出量を1990年比で少なくとも40%削減する
  • EU全体での再生可能エネルギーの構成比を少なくとも27%以上に高める
  • エネルギー効率化指標を少なくとも27%以上に高める

今回の合意は、対外的にEUのグローバル気候変動対策における世界のリーダーとしての役割を示すだけでなく、2015年にパリで開催予定の国連気候変動会議における世界的な合意に向けても大きく貢献するとみられる。また、EU域内に対しては、再生可能エネルギーとエネルギー効率に関する目標がエネルギー供給の安定度を高め、海外からの輸入に頼っている化石燃料への依存度を低減する効果が期待される。

今回の合意を受け、José Manuel Barroso欧州委員会委員長は「2020年までに1990年比で20%削減」というこれまでの目標を2030年までに2倍の40%に上方修正した今回の目標を「温室効果ガスの排出削減に関してはEUが世界で最も野心的」だと称えた。

また、EU気候変動対策委員のConnie Hedegaard氏は「経済不安と深刻な国際危機にもかかわらず、28人のEU首脳が、喫緊の課題である気候変動に対して行動を共にできることは、我々にとって大きな誇りだ」と評価する一方で、「ヨーロッパにおけるCO2排出量40%削減は容易なことではない。社会のあらゆる部分を大きな変革していくことでしか達成できないものだ」と指摘した。

加えて、同氏は「今回の決定はヨーロッパだけでなく、世界中の全ての人々にとって重要な一歩だ。そしてそれは『我々はやるべき仕事をやった。次はあなたたちが我々の後に続くように強く求めている』という世界に向けた強いメッセージとなるだろう」とも語った。

今回の目標達成に向けた柱となる仕組みはETS(Emissions Trading System:排出権取引システム)だ。新たに改良されたETSは、欧州委員会からの提案を踏まえ、十分な機能を果たせるように市場を安定化するための誘導策を備えている。EUは今後ETSも含めて可能な限り費用効果の高い方法で40%削減目標達成に向けて取り組んでいくことになる。

今回の合意の最終的な狙いは、低炭素経済の実現およびEUの消費者に十分なエネルギーを競争力のある価格で供給できる安定したエネルギーシステムの構築にある。EUは、それらが経済成長と雇用拡大につながる新たな機会を生み出すとしている。

【リリース原文】EU leaders agree 2030 climate and energy goals
【団体サイト】EU

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