サステナビリティ関連のリサーチ・調査を手がけるVerdantixは9月11日、大手小売企業のCO2排出状況に関する調査レポート「Carbon Strategy Benchmark: Retail Sector」を発表した。
同レポートによれば、小売業界のCO2排出量削減状況について情報開示は広く浸透したものの、絶対量の削減については未だ最小限の進展に留まっており、カルフール、コストコ、イケア、テスコ、ウォルマートなどの大手小売企業は、排出量のより包括的な開示およびより有意義な排出量削減戦略の策定を目指すべきと指摘している。
なお、今回の調査対象には上記企業以外にもホールフーズ、ホーム・デポ、CVSケアマーク、H&M、LVMH、TJXカンパニーズなど食品からアパレル企業まで様々な業界の大手小売・流通企業が名を連ねる。
Verdantix アナリスト兼、同レポート著者のJordan Nadian氏は「小売業界は燃料および電力使用におけるCO2排出量の情報開示に対しては高い評価を得ている一方で、製品使用、購買、物流および廃棄物処理におけるスコープ3のCO2排出量データの情報開示にはまだばらつきがある。また、イーオン、イケア、メトログループ、テスコなどアジアおよび欧州の小売企業はスコープ3のデータ開示状況が米国企業に比べ明らかに進んでいる」と語った。
また、Verdentixのシニア・アナリストRoss MacWhinney氏は「小売企業各社はサステナビリティ情報開示の保証のためにEYやKPMGに賢明に投資してきたが、CO2排出量削減戦略を更に改善させるためには、Elster、EnergyICT、Envizi、Panoramic Power、Verisaeなどが提供するソフトウェアにも投資すべきだ。これらのプラットフォームを利用すれば各企業は自社の事業データを利用して削減シナリオを策定することができ、達成不可能な目標を設定するリスクを最小限に抑えることもできる」という。
同社のレポートによれば小売企業の多くはCO2排出量削減の目標設定および達成に頭を悩ませており、排出絶対量の削減に向けて妥当な目標を設定している小売企業は4社しかないという。
テスコは2050年までにカーボン・ニュートラルの実現を目指している。ジョン・ルイス・パートナーシップは2010年比で15%削減、カルフールは2020年までに2009年比で40%の削減を目指している。また、Home Depotは2015年までにスコープ3の輸送・流通におけるCO2排出量を2009年比で20%削減することを目標としている。
【レポートダウンロード】Carbon Strategy Benchmark: Retail Sector
【企業サイト】http://www.verdantix.com/
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