アパレル業界のグローバルにおける労働慣行改善に向け、大きな一歩となる提携が実現した。アパレル大手のH&MとILO(International Labour Organization:国際労働機関)は9月15日、労使関係、賃金、キャパシティ・ビルディング、スキル開発など、労働分野におけるサステナビリティ向上に向けた新しいパートナーシップを締結したと発表した。
H&MとILOの協力関係は、H&Mが2001年にILOがカンボジアで展開していたILO Better Factoryプログラムに参加したときまで遡る。今回の新しい戦略的パートナーシップでは、H&Mのサプライチェーンにおけるサステナビリティの強化を目指してグローバル、国、企業レベルで様々な労働慣行の改善に向けて様々な取り組みが展開される予定だ。
また、今回のパートナーシップでは、ILOが掲げるディーセント・ワーク・アジェンダの実現に向けたグローバルな提携モデルの成功事例の創出も目指されている。
ILO事務局長のGuy Ryder氏は「アパレル業界が抱える課題は構造的で、よりよい労使関係の構築、国際的な労働基準の遵守を支援するための活動が必要だ。そのため、これらの分野の経験を持つH&Mのような企業との戦略的かつ包括的なコラボレーションが早急に求められている」と語った。
また、H&MのCEO、Karl-Johan Persson氏は「今回のパートナーシップ締結は、我々の事業における健全な労使関係の構築に向けた取り組みを更に強化する素晴らしい機会だと捉えている。政府、経営者組織、従業員組織というユニークな三角構造を備えるILOは、アパレル業界における賃金や教育、スキル開発といった課題に取り組む上で最高のパートナーだ」と語り、今回の提携を歓迎した。
H&Mはサプライチェーンにおける積極的なサステナビリティへの取り組みで知られているが、今回ILOとのパートナーシップにより更にその動きが加速することになる。また、ディーセント・ワークを掲げるILOにとってもH&Mのようなグローバルにサプライチェーンを抱える大企業との提携はビジョン達成に向けた大きな一歩となる。H&Mのサプライチェーンにおける取り組みについて更に詳しく知りたい方は、ぜひ下記のページも参考にしてほしい。
【参考ページ】H&M Our supply chain
【企業サイト】H&M
【団体サイト】ILO
(※写真提供:Martin Good / Shutterstock.com)
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