飲料業界のサステナビリティを推進する業界団体Beverage Industry Environmental Roundtable(BIER)は9月2日、飲料メーカーらーが生態系への影響を意思決定の際に考慮するためのガイドライン、Ecosystem Services Guiding Principles(生態系サービスに関する指導原則)を公表した。
BIERは、グローバルに事業を展開する大手飲料メーカーらによる国際的な業界団体で、飲料業界の環境面におけるサステナビリティを推進しており、メンバーにはバカルディ、コカ・コーラ、ハイネケン、ペプシコなど世界の飲料業界を代表する企業が名を連ねる。
今回公表されたガイドラインは、オペレーションの最適化、生物多様性および自然資源の保護、バリューチェーン全体への働きかけを通じた飲料業界の環境面におけるパフォーマンス向上などを目的としている。
主な内容は下記の通りだ。
- 自然資源(特に淡水、農業穀物、林産製品)の使用効率の最適化
- 自然界に排出する廃棄物の最小化
- 包装資材の再利用、リサイクルの促進
- 生態系サービスの要因を淡水供給、農業穀物、林産製品のサステナビリティ推進へ統合
- 生態系・生物多様性保護に向けた人的・金融資本の投資
- 自然資源の復元への取り組み
- 生態系へ返す水の水質を元の状態かそれ以上にする排水処理法の追求
- 協働による問題解決に向け、バリューチェーン全体のステークホルダーへの働きかけ
- これらの原則を達成に向けた進捗の定期的な共有、監視
BIER の役員を務めるTod Christenson氏は「飲料会社として、我々のビジネスは自然環境に大きく依存し、また影響を及ぼしていることを自覚している。また、これらの依存や影響に対し、全てを解決できる単一のアプローチというものは存在しないことも認識している。今回の指導原則の狙いは、各飲料会社に対して環境面への取り組みを評価し、生態系、自然資源保護に向けた具体的な行動を促すための基礎となるフレームワークを提供することだ」と語った。
先日BIERが公表したレポートの中には、温室効果ガス排出量の計算、追跡、報告に関する共通の手法を構築するための業界向けガイダンスや、1700以上の飲料工場における、水やエネルギーの利用状況とその影響を調査した定量的なベンチマーキング研究も含まれている。
【団体サイト】Beverage Industry Environmental Roundtable
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