BSRのクリーン・カーゴ・ワーキング・グループ(以下、CCWG)がまとめた2014年の報告書「Global Maritime Trade Lane Emissions Factors(グローバル海上輸送における温室効果ガス排出要因)」によれば、世界の海上コンテナ輸送によるCO2排出量は年々減少しており、2012年から2013年の間では約8%減少したとのことだ。この報告書は世界の海上コンテンツ輸送の85%を占める2,900以上の船舶のデータを基にまとめられたものだ。
BSRによれば、CO2排出量の減少には海運会社や国際貿易状況の変化も関係している可能性はあるが、年々の継続的なパフォーマンス改善は、運送効率の向上やデータ精度の改善が影響しているという。同報告書には世界を代表する23の海運企業のデータが含まれており、海運企業や貨物の顧客が自社の環境パフォーマンスデータを測定、評価、報告するのに役立てている。
5度目となる今回の報告書では、初めて各トレードレーンの平均利用率が集計され、利用者はこのデータを用いてより正確に貨物輸送をする際のカーボン・フットプリント計算ができるようになった。なお、2年に渡る分析の結果、主な大規模トレードレーンの平均利用率は、年による差はあるものの、70%近いことが分かった。
CCWGのプロジェクトマネージャーを務めるNate Springer氏は「標準化された方法に基づくレポートにより、海上輸送業界は環境パフォーマンスを改善し、気候変動対策のためのCO2排出量削減に取り組んでいる。データの可視化により、海運会社のベンチ―マーキング、比較が可能になる」と語り、データの有用性を強調する。
また、Marks & SpencerのロジスティクスマネージャーBarry Wallace氏は「Marks & Spencerは高いデータ信頼性と正確性を持つCCWGを頼りにしている。我々はCCWGのデータを利用して、それぞれの海運企業を比較することができる。これは我々のPlan A(プランA)の環境目標にとって重要なことなのだ」と語った。
報告書は下記からダウンロード可能なので、興味がある方はぜひ見てみて頂きたい。
【レポートダウンロード】Global Maritime Trade Lane Emissions Factors
【団体サイト】BSR
【参考ページ】Clean Cargo Working Group
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