電子製品に関するグローバルな環境評価システムが、ついにインドにもやってきた。インド工業連盟(The Confederation of Indian Industry、以下CII)のCentre of Excellence for Sustainable Development(CESD)は7月23日、デリーで行われたGreen Electronics Councilとの共催イベントで、同団体が推進している電子製品に関する国際的な環境評価システム、EPEAT®のインド進出を祝った。
当日はCIIの呼びかけでインドの電子産業、企業の購買担当者、政府、市民団体らの代表者が集まり、EPEATを今後どのようにインドの電子産業がもたらす環境負荷の削減に活用していくかについて話し合われた。
EPEATは米国のNPO、Green Electronics Councilが推進する電子製品に関する環境評価システムだ。同システムはこれまで8年間以上に渡って、世界中の電子機器メーカーや政府、消費者に対してより環境に優しい製品の開発や購買を促進し、環境面に大きなプラス効果をもたらしてきた。今回、インドはEPEATの評価システムを導入する43番目の国となる。
EPEATは電子製品の製造企業に対してEPEATに登録された全ての製品の回収・リサイクルを求めるとともに、有害物質の排除、リサイクル済み・リサイクル可能な材料の使用、リサイクルに適したデザイン、製品寿命、エネルギー効率、パッケージングなどの製品ライフサイクルに基づいて評価を実施している。製造企業は、ローカル市場の基準を満たした製品であることを保証するために、国ごとにそれぞれの製品をEPEATに登録する必要がある。
EPEATシステムは現在、パソコン、ディスプレイ、テレビや画像装置(プリンター、コピー、スキャナーなど)を対象に評価をしており、DellとHP(ヒューレット・パッカード)は既にインドの146のパソコンとディスプレイ製品を登録している。EPEATに商品登録することで、消費者が環境に優しい商品を簡単に見分けられるようにすることが目的だ。また、米国を含む8つの国家政府の購買活動においてもEPEATシステムが利用されている。
2006年7月にシステムが完成以降、既に43カ国から50以上の製造企業が参加しており、既に6億以上のEPEAT登録製品が購買されている。
米国下院議員のEarl Blumenauer氏は、「このような素晴らしい変化をもたらしている組織が米国を本拠とする組織であることを誇りに思う。米国政府は電子製品を購入する際にEPEATの基準を参考にすることで自ら見本を示している。我々は規制ではなく創造性によって、政治ではなく科学によって、罰ではなくインセンティブによって新たな環境面におけるサクセスストーリーを作っていかなければならない。EPEATの成功は、コラボレーションと報酬ベースのアプローチは市場を動かし、多様なステークホルダーの協働が変化に向けた真の触媒となることを示している。インドにおいてGreen Electronics Councilが築き上げてきた連携は、コラボレーションを通じたリーダーシップが世界を進化させる強力なツールになりうるということを示している」と語った。
EPEATの導入によりインドの消費者も電子製品を選ぶ際の基準を手にしたことで、今後は環境に配慮された製品づくりに取り組む企業ほどインド市場における競争力を獲得することができるようになることが予想される。
【参考サイト】EPEAT
【団体サイト】Green Electronics Council
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら