貧困と環境破壊が深刻化している中国内陸部の貴州省で、官民協働のもと持続可能な開発に向けた新たな取り組みが始まる。
アジア開発銀行(The Asian Development Bank、以下ADB)は7月14日、中国貴州省で開かれたEco-Forum Global Guiyang 2014フォーラムで、貴州省の環境保全および持続可能な開発に向けた覚書に調印した。同行は今後、覚書のもとで貴州政府と協力しながら、同省を流れる赤水江流域への融資を支援し、環境に配慮したインクルーシブな開発を推進していく予定だ。
今回調印された覚書には、赤水江流域における12の重要な政策改革および2013年?2020年までの赤水江流域の保全計画が含まれている。
ADBで中国担当役員を務めるHamid L. Sharif氏は、「ADBと貴州省政府は、赤水江流域の環境保全のために官民共同の資金調達メカニズムにおいて協働している」と語り、「貯水池の保護や劣化した分水嶺の修復、その他自然資源の保全などの重大な環境問題の解決のために、中国政府が汚染者負担原則の適用を主張していることを考えると、今回のADBによる支援はタイムリーなものだ」と付け加えた。
ADBによる支援プロジェクトでは、貴州省における将来の官民ファンド資金源の模索、資産運用や運用構造の概略作り、赤水市分水嶺のための官民連携ファンド設立に向けたロードマップの体系化などを支援している。
貴州省は中国内の最貧困省の一つだ。赤水江の分水嶺は貴州省の10,700?もの範囲に広がっており、そこでは州人口の30%が農村地域に住んでいるが、その地域住民の4分の1は貧困生活を強いられているのが現状だ。
また、貴州省は中国の中でも特に環境破壊が深刻化している地域としても知られており、経済発展に伴う森林破壊や大気汚染、それに伴う自然災害の増加などが問題となっていた。今後のADBと貴州省政府による官民一体となった取り組みに期待したい。
【企業サイト】アジア開発銀行
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