世界最大級のプライベート・エクイティ・ファンド、KKRは7月10日、「2013年度 環境・社会・ガバナンス(ESG)とCSR報告書・サステナビリティレポート報告書(原題:2013 Environmental, Social, and Governance (ESG) and Citizenship report)」を、同社の新たなプライベート・エクイティ・ESGポリシーとともに公開した。
第4版となるKKRのESGレポートでは、責任投資に対する同社のコミットメントの概要および、プライベート・エクイティ投資プロセスにおけるESG要因の統合進捗状況が示されている。また、今回発表された同社の新たなプライベート・エクイティ・ESGポリシーは、これまでのKKRの責任投資による成果を成文化したもので、ESGに対するアプローチをグローバルで一貫させることを目的としている。
このESGポリシーは同社のグローバルのプライベート・エクイティ事業に適用される。KKRは2009年にはPRI(Principles for Responsible Investment:責任投資原則)に署名しており、PEGCC(Private Equity Growth Capital Council)のResponsible Investment Guidelines(責任投資ガイドライン)も支持しており、プライベート・エクイティ・ファンドの中でも早くから積極的に責任投資に取り組んできた。
今回のレポート発表にあたり、同社で共同会長および共同CEOを務めるGeorge Roberts氏は「責任投資に対する我々のアプローチは、我々の投資先企業に最大の成功をもたらし、長期的価値を創りだすように作られている。過去6年間で、我々のESG要因のプライベート・エクイティ投資への統合は大きく前進した。この仕事にコミットすることより重要なものはなかった」と語った。
今回のレポートに記載されている2013年度のハイライトは下記の通り。
KKR Global Institute(KGI)の創設
ESG要因を組み込んだプライベート・エクイティ投資を強化し、グローバルの地政学的視点に基づき同社および同社の投資を支援
Green Portfolio Programからの継続的な成果
環境要因を重視した投資ポートフォリオプログラムで、2008年以降、ポートフォリオにある19の企業は9億1,700万ドル以上のコスト削減に成功し、180万トン以上の温室効果ガス排出量削減、470万トンの廃棄物削減、1,950万?の水利用節約を実現
Vets @ Workイニシアティブの取り組み拡大
米国KKRのプライベート・エクイティ・ポートフォリオ企業においてベテラン社員を雇用する取り組みを推進。2013年にプログラム参加企業は9から18に増え、2013年までに22,000名以上のベテラン社員の雇用を実現
KKRによるシティズンシップ活動の展開
世界中の様々なNPOや社会的企業に対して同社の専門ノウハウや従業員リソースなどを提供
KKRのような世界を代表するプライベート・エクイティ・ファンドが責任投資に積極的に取り組み、しっかりと企業価値の向上につなげていることを示すことの意義はとても大きい。業界全体で更に責任投資への動きが加速していくことを期待したい。
レポートおよびESGポリシーは下記からダウンロード可能。
【報告書ダウンロード】2013 Environmental, Social, and Governance (ESG) and Citizenship report
【ESGポリシーダウンロード】プライベート・エクイティ・ESGポリシー
【企業サイト】KKR & Co. L.P.
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