インパクト投資に関する金融情報サービスを提供するミッションマーケッツ社は6月2日、インパクト投資を支援する新たなオンラインプラットフォームの提供開始を発表した。
新たに開発されたプラットフォームは、機関投資家に対して社会・環境面に良いインパクトをもたらす投資に焦点を絞った調査や投資機会を提供するのが狙いだ。同プラットフォームはインパクト投資に興味がある学生から金融の専門家まであらゆる人々が利用可能となっており、インパクト投資に関するニュース記事や研究結果、データやブログ、イベント情報、フォーラム機能などに無料でアクセスすることができる。
インパクト投資(インパクト・インベストメント)とは経済的リターンと社会・環境面への好影響の双方を実現することを目指した金融商品を説明する際に用いられる言葉で、昨今ではBOP市場への投資をはじめとして急速に成長している投資手法だ。
ミッションマーケッツ社のCEOを務めるMarienau氏は、「インパクト投資の時代がやってきた。投資家は個人の価値観に合った投資を求めており、彼らは優れた財務リターンを得ることも重要だと考えている一方で、その投資が社会・環境面においても正の成果を生み出すかどうか考えるようになっている。その成果の形は、教育や健康、コミュニティ開発、サステナビリティの改善など様々だ。当社が提供する情報や技術、投資オファーは投資家が賢明な選択をするのに役立つだろう」と語る。
今回のプラットフォームではソーシャルビジネスなどを展開するプライベートカンパニーに直接できるPrivate Placement(私募)、ソーシャルインフラプロジェクトに対するリスク調整済のデット・ファイナンスを扱うStructured Debt(現在準備中)、プロのインパクト・ファンドが組成するポートフォリオに投資できるImpact Fundsという3種類の異なる金融商品に申し込むことが可能だ。
特に注目すべき特徴は、同プラットフォームを通じてElevar Equity III, L.P.(エレバー・エクイティIII)やGreenbacker Renewable Energy Public Renewables Fund(グリーンバッカー再生可能エネルギーファンド)、Mindfull Investors Venture Fund(マインドフル・インベスターズ・ベンチャーファンド)、TriLinc Global - Public Impact Fund(トリリンク・グローバル・インパクト・ファンド)など、インパクト投資を手がけるリミテッド・パートナーシップやインパクト・ファンドへの投資ができる点だ。
これらの出資証券は、特定のインパクト投資テーマにフォーカスしている企業ポートフォリオに投資することが可能で、機関投資家のポートフォリオのために拡張性の高い投資を提供する一方で、個人投資家のためのより多様な投資も提供している。
SEC(Securities and Exchange Commission:米国証券取引委員会)に登録していない私募のリミテッド・パートナーシップへの投資をするにはAccredited investor(適格投資家)認定が必要だが、TriLinc Global Impact FundやGreenbacker Renewable Energy Fundなどいくつかのインパクト・ファンドについては、認定された個人投資家はAccredited investorテストの要件に適合しない可能性があっても最初は2,000ドルで投資が可能だ。
今回のプラットフォーム提供により、機関投資家や個人投資家はニュースやブログなどのコンテンツ、フォーラムなどを通じてインパクト投資に関する専門知識や最新情報を得ることができるだけでなく、より優れたインパクト投資の機会にアクセスすることができるようになる。
ミッションマーケッツ社は2009年に設立されたインパクト投資の取引プラットフォームで、インパクト投資のパイオニアとして機関投資家をはじめとして様々な投資家にインパクト投資機会を提供している。
インパクト投資を更に普及させ、より多くの資本を呼び込むためには、投資家のための取引プラットフォーム構築や投資管理ツール、情報提供の充実など、投資インフラの整備と充実が必要だ。今回のプラットフォーム提供により更にインパクト投資の裾野が広がることを期待したい。
【企業サイト】Mission Markets
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