昨今では急速なITインフラ整備に伴い、IT教育、アクセシビリティ向上への取り組みなどグローバルIT企業による開発途上国へのコミュニティ投資の流れが加速している。
マイクロソフトとクリエイティブ・アソシエイツ・インターナショナル(以下、クリエイティブ社)は6月12日、共同でエルサルバドルの若者に対してソフトウェアや技術訓練の提供を始めることで合意した。若者のギャング化を食い止める事が狙いだ。
具体的には、エルサルバトルにある77か所の青少年地域センターと交流のあるクリエイティブ社のネットワークを利用して、マイクロソフトが教育ソフトウェア導入済みのパソコン800台を支給することになっている。
今回のプロジェクトにより、約25,000人の若者が恩恵を受ける計算だ。地元のベンダーと協力しながら情報技術者の育成なども行う予定で、支援総額は294万ドルとなる。マイクロソフトは創造的で将来可能性のある若者育成を行うユース・スパーク・イニシアチブを通してこのプロジェクトを支援する予定だ。
マイクロソフトエルサルバドルでゼネラルマネージャーを務めるGracia Rosi氏は、「エルサルバドルの開発を最大化するために、様々なタイプの機関と相互協力をすることが重要だ。今回のように我々は、USAID(United States Agency for International Development:米国国際開発庁)が推進する取り組みに積極的に参加しなければならないと考えている。IT分野の職業訓練などを通し、エルサルバドルの若者が夢に向かって努力できる環境作りを我々はサポートしなければならない。」と述べた。
一方のクリエイティブ社CEO、Charito Kruvant氏も「マイクロソフト社の参画は、ギャングが蔓延るエリアに住む若者に対して多大なる好影響を与えるだろう。若者の犯罪を防止し、若者により安全で明るい未来を作るための役割を与えてくれる同社のサポートに我々は感謝している」と今回の合意に期待を寄せる。
クリエイティブ社による「エルサルバドルの暴力・犯罪防止プログラム」はアメリカ政府の国際開発部門から資金が提供されており、凶悪犯罪に対処するためのコミュニティ、自治体や国家機関の能力を改善することを目指している。同社は若者が安心してITや英語の教育を受けられる環境を中米内の115か所の若者地域センターに提供しており、米国政府と共に働く女性が運営する企業としては2番目に大きな組織だ。
今回の事例に限らず、マイクロソフトは自社のソフトウェアやトレーニングプログラムなどを通じて積極的にコミュニティ投資を行う企業として有名だ。ローカルコミュニティにネットワークを持つ企業やNPOと提携しながらプログラムを展開するケースも多く、こうした活動を通じて将来の顧客基盤形成につなげている。
【企業サイト】Creative Associates International
【企業サイト】Microsoft
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