アメリカ・カリフォルニア州に本社を置き、森林保全を手がける企業 Wildlife Works Carbonは、ケニア南東部の森林保護を行う「タイタヒルズ自然保護・持続可能土地利用プロジェクト(以下、タイタプロジェクト)」を開始するため、ルクセンブルグに本部を置く世界的に著名なAlthelia Climate Fundから1000万米ドルの資金提供を受けたことを発表した。
タイタプロジェクトは、ケニア南東部に広大に広がる森林・サバンナ地帯であるタイタヒルズのうち、20万ヘクタールのを経済活動による自然破壊から守るプロジェクト。Wildlife Worksは国連が提唱する"REDD+"プログラムを推進している企業。REDD+とは、森林破壊を減少させることによる温室効果ガスの排出削減と植林や森林管理能力の向上による温室効果ガス吸収を同時に成し遂げようという取組。REDD+で抑止された二酸化炭素排出量は、第三者認証を受けて、VERsとして認められ、企業等がカーボンオフセットを購入する際に利用されている。Wildlife Works CarbonはVERs販売からの利益を、森林保全と周辺のコミュニティ開発に再投資するとしている。
同プロジェクトでは、森林保護だけでなくコミュニティの経済活動との両立も図っている。森林伐採で生計を立ててきた地主に対して、代替的な事業機会を提供することで、森林保護の実行力をあげるとともに、住民に対しても森林保護を行うインセンティブを与えていく。同プロジェクトを通じて、周辺コミュニティには、教育、医療、住宅、食糧、安全な生活環境の新たな機会とそれに伴う雇用が提供されていくという。
資金を提供するAlthelia Climate Fundは、持続可能な土地利用とエコシステムの創出に向けた資金流通を拡大しようとしているアセットマネジメントファンド。欧州投資銀行(EIB)、オランダ開発金融公社(FMO)、フィンランド工業協力ファンド(Finnfund)、スウェーデン教会などから出資を受けている。Althelia Climate Fundが、タイタプロジェクトに出資をすることで、Wildlife Works Carbonが保護できるタイタ・ヒルズの土地面積は2倍に拡大し、タイタ・ヒルズ約45万ヘクタールで従来保護下になかったエリアをほぼ全域カバーすることができることになった。同プロジェクトは30年間続き、3000万トンの二酸化炭素排出を削減できる。周辺には20万人の住民が住んでおり、彼らも経済開発プロジェクトの恩恵を受けることができる。
【企業サイト】Wildlife Works Carbon
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