今回ご紹介するのは、言わずと知れた世界最大のソーシャル・ネットワーク・サービスを運営するFacebookがERICSSON、MediaTek、OPERA、SAMSUNG、Nokia、Qualcommという世界のIT業界を代表するテクノロジー企業らと共同で2013年8月に立ち上げた、Internet.orgというプロジェクトの紹介動画だ。
Internet.orgは、現在インターネットにアクセスできない世界の残り3分の2の人々、約50億人にインターネットを提供することを目標として集まったテクノロジー企業、NGO、地域コミュニティ、専門家らによる世界的なパートナーシップだ。
同プロジェクトに参画している企業らは自社のツールやリソース、ベストプラクティスを共有しながら「手頃な料金」「効率」「ビジネスモデル」という3つの分野で世界中をインターネットでつなぐべくソリューションを開発している。
動画では、Facebookの創始者でありInternet.orgの発起人でもあるMark Zuckerberg氏が同プロジェクトの意義や今後の展開について語っている。
「かつて私たちは、主に資源経済の中で暮らしていた。つまり、私が何かを所有していたら、あなたは同じものを所有をすることはできない世界だった。しかし、未来のグローバル経済はナレッジ・エコノミー(知識経済)になる。知識と情報は共有できるため、私が知っていることをあなたも知ることができる」と同氏は説明する。
このナレッジ・エコノミーを支えるのがインターネットの存在だ。もし世界中の全員がインターネットを利用することができたら、我々は現代の人々の新しい考え方や発想、そして創造力から大きな恩恵を受けることができる。
Zuckerberg氏は、データの提供費用とデータ量の双方を10分の1に削減することで、現在よりもインターネットに100倍アクセスしやすい環境を実現し、携帯電話を持っている全ての人々がナレッジ・エコノミーに参加できるようになることを目指していると語る。
データ提供コストを削減するためには、携帯電話の中継電波塔の数を減らすために既存のインフラを電波がより遠くまで届くように改良することが重要だと同氏は説明する。また、その他にもオープンソースを活用した低価格な携帯電話の開発など、様々な手段を通じてデータ提供コストの削減を目指しているとのことだ。
また、データ量を減らす方法としては、人々が何かを検索するたびに全てのアプリケーションがデータをキャッシュ(一時保存)できるようにすること、そしてデータを従来サイズの40%に圧縮することを挙げている。
そしてこれが最も重要なことだが、上記のいずれもが既に技術的に実現可能なソリューションなのだ。
「私は、インターネットや他の基本的なツールを利用できたので、Facebookを始めることができた」とZuckerberg氏は語る。もしも世界中の人々が同じようにインターネットにアクセスすることができれば、誰もがお互いの新しい発想や考え方、そして努力の恩恵を受けることができる。
ナレッジ・エコノミーへの転換期を迎えている現代においては、知識の差がそのまま機会の格差や結果の格差につながる可能性が高まっている。この問題を解決するために、世界を代表するテクノロジー企業がそれぞれの強みを活かしながら力を合わせて課題解決にあたっている。
また、こうしたプロジェクトを通じてインターネットへのアクセスを増やすことは、彼らが自社のサービスを提供できる市場規模そのものを拡大することと同義であり、事業上の価値もとても大きい。まさに本業に直結する優れたサステナビリティプロジェクトの事例だと言える。
【団体サイト】Internet.org
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